2009年 03月 02日
ある議会報告 |
ライフラインの本当の意味
ライフラインとは、英語で「命綱」の意味だが、日本では主に電気やガス供給などのエネルギー施設、上水道などの供給施設、消防などの防災施設、バスなどの交通施設、電話などの情報施設など住民の日々の生活に必要不可欠なインフラ設備のことを指している。
しかし、本来このライフラインという言葉は、英語の本場のアメリカにおいては、自分の住まいで日常生活を送っている高齢者や病人が、突然具合が悪くなったり身動きが取れない事態に陥った際、自分自身で緊急に救護施設を呼び出す電話サービスや設備、もしくはサービスを行なう会社のことを言う。文字どおり医療福祉のインフラ整備は、住民の生命にかかわる重要なライフラインなのだ。
本紙が、JA石西厚生連の破産をきっかけに浮上してきた津和野町の杜撰な医療福祉政策を報道するのは、多くの読者に今の非常事態を正しく認識してもらうためだ。そのため、取材を通じて知りえた情報を逐次レポートしているのだが、まだ現状の危機的状況を理解できている住民は少ないようだ。
その理由に、「行政(お上)のやることに間違いはないだろう」という思い込みと、「住民の代表としての議会が、行政のチェックをしているから、そう大きな間違いはないだろう」という思い込みがある。
正直な議会報告
今まで本紙をご覧になっている読者はお気づきだろうが、この問題の取材を続けていて、矛盾に満ちたあいまいな町側の説明にはうんざりしている。また、町の執行部のチェックをしなければならない議会の対応にも失望している。
なぜ、町側の杜撰な提案を追認するのか、その理由の一端を垣間見ることのできる「ブログ」がある。津和野町議でブログを持って、更新を重ねているのは本紙の知る限りでは2名だ。一人は、下森議員。そしてもう一人は道信議員、この2名だが、下森議員は最近ブログを閉鎖した。
さて、その道信議員の最新のブログに、先日行われた「全員協議会」の記事が掲載されている。
これによると、「全員協議会が1時30分に開かれ、1㎝ぐらいの厚さの印刷物が配られました。開会です。議長の『質問はありませんか』という声。これだけの資料をすぐに読んで理解して、質問するのです。本会議の一般質問提出まで資料請求できない土日と翌日の半日があるだけ」だという。
この後に続く、「ほとんどこのような有様でことが進んできたのです。その結果本会議では賛成せざるをえなくなり、”議会が承認した”というおきまりの言葉」というのは少し問題もあるが、何れにしても今の町議会の内情をこれだけ正直に報告している議員はいない。これはこれで評価すべきだろう。
しかし、二元代表制の地方自治体にあっては、議会も地域経営の一翼を担っている。今後の医療システムの存続すら危ぶまれる大きな転換期に、町長からの提案に追随するだけでなく、積極的に議会が調査研究を行い、住民の声を反映したコストの最適化を実現できる提案などを行うべきだろう。
まったく実績もなく、民間の効率的な経営ノウハウなど期待できない「橘井堂」を指定管理者(代行制)にするという一方的な提案が、本当に住民のためになるのか、もう少し真剣な議論が必要だったのではないか。
また、それより以前に、指定管理者制度の導入そのものが現行の津和野の医療システムを守るのに最適な選択だったのか、議会は調査すべきだったのではないだろうか。
追記
今日は3月定例議会一般質問の締切日だ。しかし新年度の予算書が執行部から配布されていない。
3月議会は予算議会でもある。予算書も見ないで議員は何を質問するのだろう。議員に尋ねると議会運営委員会を通して議長に進言するよう詰めたが執行部はしようとしない、という。
益田市は2週間前にはすでに配布してある。津和野は議会開催日に配布するのか。上記の記述を裏付けている。まさに議会軽視のなにものでもない、議会軽視は町民軽視である。町政改革は議会改革から始めなくてはならないのだが、それにしても情けない町政慣行である。
町民の一番の関心ごとが国から交付される経済振興交付金「1億3千万円」の使い道では困る。町民は、もっと町政情報の開示と説明を議員に求めるべきだ。そうすれば議員も動くだろう。
【参考資料】
地方公営企業関係制度比較表
ライフラインとは、英語で「命綱」の意味だが、日本では主に電気やガス供給などのエネルギー施設、上水道などの供給施設、消防などの防災施設、バスなどの交通施設、電話などの情報施設など住民の日々の生活に必要不可欠なインフラ設備のことを指している。
しかし、本来このライフラインという言葉は、英語の本場のアメリカにおいては、自分の住まいで日常生活を送っている高齢者や病人が、突然具合が悪くなったり身動きが取れない事態に陥った際、自分自身で緊急に救護施設を呼び出す電話サービスや設備、もしくはサービスを行なう会社のことを言う。文字どおり医療福祉のインフラ整備は、住民の生命にかかわる重要なライフラインなのだ。
本紙が、JA石西厚生連の破産をきっかけに浮上してきた津和野町の杜撰な医療福祉政策を報道するのは、多くの読者に今の非常事態を正しく認識してもらうためだ。そのため、取材を通じて知りえた情報を逐次レポートしているのだが、まだ現状の危機的状況を理解できている住民は少ないようだ。
その理由に、「行政(お上)のやることに間違いはないだろう」という思い込みと、「住民の代表としての議会が、行政のチェックをしているから、そう大きな間違いはないだろう」という思い込みがある。
正直な議会報告
今まで本紙をご覧になっている読者はお気づきだろうが、この問題の取材を続けていて、矛盾に満ちたあいまいな町側の説明にはうんざりしている。また、町の執行部のチェックをしなければならない議会の対応にも失望している。
なぜ、町側の杜撰な提案を追認するのか、その理由の一端を垣間見ることのできる「ブログ」がある。津和野町議でブログを持って、更新を重ねているのは本紙の知る限りでは2名だ。一人は、下森議員。そしてもう一人は道信議員、この2名だが、下森議員は最近ブログを閉鎖した。
さて、その道信議員の最新のブログに、先日行われた「全員協議会」の記事が掲載されている。
これによると、「全員協議会が1時30分に開かれ、1㎝ぐらいの厚さの印刷物が配られました。開会です。議長の『質問はありませんか』という声。これだけの資料をすぐに読んで理解して、質問するのです。本会議の一般質問提出まで資料請求できない土日と翌日の半日があるだけ」だという。
この後に続く、「ほとんどこのような有様でことが進んできたのです。その結果本会議では賛成せざるをえなくなり、”議会が承認した”というおきまりの言葉」というのは少し問題もあるが、何れにしても今の町議会の内情をこれだけ正直に報告している議員はいない。これはこれで評価すべきだろう。
しかし、二元代表制の地方自治体にあっては、議会も地域経営の一翼を担っている。今後の医療システムの存続すら危ぶまれる大きな転換期に、町長からの提案に追随するだけでなく、積極的に議会が調査研究を行い、住民の声を反映したコストの最適化を実現できる提案などを行うべきだろう。
まったく実績もなく、民間の効率的な経営ノウハウなど期待できない「橘井堂」を指定管理者(代行制)にするという一方的な提案が、本当に住民のためになるのか、もう少し真剣な議論が必要だったのではないか。
また、それより以前に、指定管理者制度の導入そのものが現行の津和野の医療システムを守るのに最適な選択だったのか、議会は調査すべきだったのではないだろうか。
追記
今日は3月定例議会一般質問の締切日だ。しかし新年度の予算書が執行部から配布されていない。
3月議会は予算議会でもある。予算書も見ないで議員は何を質問するのだろう。議員に尋ねると議会運営委員会を通して議長に進言するよう詰めたが執行部はしようとしない、という。
益田市は2週間前にはすでに配布してある。津和野は議会開催日に配布するのか。上記の記述を裏付けている。まさに議会軽視のなにものでもない、議会軽視は町民軽視である。町政改革は議会改革から始めなくてはならないのだが、それにしても情けない町政慣行である。
町民の一番の関心ごとが国から交付される経済振興交付金「1億3千万円」の使い道では困る。町民は、もっと町政情報の開示と説明を議員に求めるべきだ。そうすれば議員も動くだろう。
【参考資料】
地方公営企業関係制度比較表
by nakayama-yutaka
| 2009-03-02 01:05
| 津和野町政
|
Comments(2)
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by
マスさん
at 2009-03-03 19:53
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益田タイムズの取材、医療を守る会の報告で石西厚生連の倒産の実態は明らかになったように思います。厚生連は倒産した原因については依然として謎で、任意に倒産したという疑いを消せません。議会の力は全くなく何の抵抗も出来ずに町長とその周辺の執行体制が暴走してしまった?町長も現キッセイ同理事長様とどういう具合にうまが合ったのか。もともと、津和野の外来診療を独占され、毎月往診登録50-60人をほぼ1人でこなし、日原の外来で、顧客を囲い込み、ある種の熱意と、ある種の押し付けを行っておられた方です。これからは、往診鹿足クリニックで経営すると言う自己の方針で、町長と燃え上がったのは、密室の政治の勘違いと、暴走がもたらした結果なのでしょうか。元はと言えば、以前の、二つの病院建設に絡む鹿足郡自治体首長の借金保障の解決であったが、ついでに、乗ってしまった倒産事態で、町長様がこれ以上、この失敗を見ながら居続けることは出来ないほど具合の悪い結末をもたらしました。公共の財を医療法人に注ぎ込み、しっかり稼ぐと言い、どこからどう、覆水を戻していくのでしょうか。医療が稼ぐと言うのは一体どういうことになるのでしょう。
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医療ジャーナリスト2号
at 2009-03-05 19:05
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津和野町の規模で医療で稼ぐというのは、実質不可能と思います。同町の規模ならば、せめて外科か整形外科の常勤医師の確保は必要です。簡単な外科処置すら遠くの総合病院へ任せるような状況では、儲ける余地はありません。(彼らが保険点数を知らないはずはないのですが。)せっかくの観光資源も活用できず、住民や学生そして観光客の、怪我のもしもにも対応できないような町・医療体制にしてしまった院長や町長の罪は大変重いものです。
今回、橘井堂さんが行った職員減らしは成功のようですね。しかし、今から医療できっちり儲けようと思えば、ハイペースで同じ検査を行い続けるか、内科医(例えば須山理事長)が「すべての」病気を請け負って町内(院内)で治し続けるか、検診で異常を指摘してまで患者に病院通いをさせるか、しか方法はないです。よほどの患者囲いか、著しい回転率の上昇以外に少ない内科医で稼ぐ手立てはないのです。今後橘井堂さんが、どんなに往診・在宅医療で稼ごうにも、今までの情報を見る限りでは、往診医そのもののマン・パワー不足が予想されていますので、間違いなく無理です。一般論ですが、夕張に続いて津和野町が財政破綻する予測年数は、3-6年と思われます。
今回、橘井堂さんが行った職員減らしは成功のようですね。しかし、今から医療できっちり儲けようと思えば、ハイペースで同じ検査を行い続けるか、内科医(例えば須山理事長)が「すべての」病気を請け負って町内(院内)で治し続けるか、検診で異常を指摘してまで患者に病院通いをさせるか、しか方法はないです。よほどの患者囲いか、著しい回転率の上昇以外に少ない内科医で稼ぐ手立てはないのです。今後橘井堂さんが、どんなに往診・在宅医療で稼ごうにも、今までの情報を見る限りでは、往診医そのもののマン・パワー不足が予想されていますので、間違いなく無理です。一般論ですが、夕張に続いて津和野町が財政破綻する予測年数は、3-6年と思われます。