2009年 01月 19日
誰が被害者なのか(11) |
これまでの経緯(1)
最近、人口が集中する都市部においても、救急患者の受け入れ困難な実態が報道されている。地方都市でも「里帰り出産」を断るといった事例が増えはじめている。
この主な原因は、医師の絶対数の不足 、病院での必要医師数の不足、 地域偏在による不足、 診療科に属する医師の需給不均衡による不足だといわれているが、平成15年からの新臨床研修医制度の影響も強いようだ。
この医師不足に加え、中山間地を多く抱えて少子・高齢化が進み人口減少が急激に進む地域では、正直なところ、公立であれ私立であれ、医療施設が黒字経営を維持するのは至難なことだ。
しかし、少子・高齢化が進めば進むほど住民にとって医療施設は重要なものとなっていく。時には採算の取れない医療行為であっても、患者の立場を重視した医療を展開しなければならない。そのために評判の良い病院ほど、経営的には破綻寸前のところが多いといわれている。
そういう意味では、経営環境が悪化するなかで、これまで地域の医療体制を守ってきた「石西厚生連」の果たしてきた功績は非常に大きい。また、これを支えるために、厳しい財政運営を強いられながらも支援してきた近隣自治体も重要な役割を果たしてきたといってよいだろう。
そして、へき地医療を支えるために、この地域に赴任し、献身的な努力を積み重ねてきた多くの医師やそれを支えてきた看護師をはじめ、多くのスタッフのことも忘れてはならない。
特に、石西厚生連の前身は、青原の大庭政世という人が、病気になればただ死を待つばかりの無医村で、大正8年に日本で初めて設立した協同組合立の病院である。ここを拠点に今では全国に広がっているのだが、多くの先人が、血のにじむような思いで立ち上げた病院が、今は存亡の危機を迎えている。
この病院設立当時と現在を比較すれば、間違いなく現在の方が病院存続の社会的環境に恵まれているだろう。それなのに、なぜ今日のような結果を招いたのか、これまでの関係者の取材から感じたことを少しまとめてみたい。
(写真は大庭政世氏「名誉町民」の顕彰碑)
最近、人口が集中する都市部においても、救急患者の受け入れ困難な実態が報道されている。地方都市でも「里帰り出産」を断るといった事例が増えはじめている。
この主な原因は、医師の絶対数の不足 、病院での必要医師数の不足、 地域偏在による不足、 診療科に属する医師の需給不均衡による不足だといわれているが、平成15年からの新臨床研修医制度の影響も強いようだ。
この医師不足に加え、中山間地を多く抱えて少子・高齢化が進み人口減少が急激に進む地域では、正直なところ、公立であれ私立であれ、医療施設が黒字経営を維持するのは至難なことだ。
しかし、少子・高齢化が進めば進むほど住民にとって医療施設は重要なものとなっていく。時には採算の取れない医療行為であっても、患者の立場を重視した医療を展開しなければならない。そのために評判の良い病院ほど、経営的には破綻寸前のところが多いといわれている。
そういう意味では、経営環境が悪化するなかで、これまで地域の医療体制を守ってきた「石西厚生連」の果たしてきた功績は非常に大きい。また、これを支えるために、厳しい財政運営を強いられながらも支援してきた近隣自治体も重要な役割を果たしてきたといってよいだろう。
そして、へき地医療を支えるために、この地域に赴任し、献身的な努力を積み重ねてきた多くの医師やそれを支えてきた看護師をはじめ、多くのスタッフのことも忘れてはならない。
特に、石西厚生連の前身は、青原の大庭政世という人が、病気になればただ死を待つばかりの無医村で、大正8年に日本で初めて設立した協同組合立の病院である。ここを拠点に今では全国に広がっているのだが、多くの先人が、血のにじむような思いで立ち上げた病院が、今は存亡の危機を迎えている。
この病院設立当時と現在を比較すれば、間違いなく現在の方が病院存続の社会的環境に恵まれているだろう。それなのに、なぜ今日のような結果を招いたのか、これまでの関係者の取材から感じたことを少しまとめてみたい。
(写真は大庭政世氏「名誉町民」の顕彰碑)
by nakayama-yutaka
| 2009-01-19 18:13
| 津和野厚生連病院破産
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Comments(2)