2008年 12月 07日
平成20年12月議会ウォッチング(3) |
続々・一般質問の「見どころ・聞きどころ」
河野議員
河野議員は2項目。「市民自治の向上への取り組みを問う」については、前回、「施政方針を示す場合、市民をはじめ関係者がオープンな場で一緒に論議していくのか」という質問に、市長は「その通りだ。どういうやり方がいいのか事務方で検討し、私が判断したい。今年度中に示したい。」と答えているが、一向にそのような雰囲気はない。事務方も検討している様子もない。市民自治向上の第一歩は、行政情報の共有化である。しかし、市長が代わっても状況は変わっていない。口先だけの約束なのか、年度内に着実に実現できる約束なのか、きちんと確認すべきだろう。
次の「人口減少と次世代育成のあり方を問う」だが、仮に、「良い知恵があれば示していただきたい」と市長から反問された場合、実現可能で効果的な腹案を披歴できるだけの準備があるかどうかが問題だ。なければ何の意味もない。
石田議員
石田議員も2項目。「地域医療に対する基本的な考え方を問う」と「地域医療の現状と取り組みについて」と、両方とも地域医療に関する質問だ。最近は地域医療問題の専門家になった雰囲気だが、日本中地域医療の現場は苦境に陥っている。地方はもとより、大都市周辺でも、診療科によっては医師不足による医療トラブルが頻出している。
地方の勤務医の過酷な労働条件緩和に法的強制もなく、財源的担保のない財政状況の逼迫した弱小自治体がいくら頑張っても根本的な解決の道はない。
福原議員のところでも述べたが、皆の耳目を集める何か具体的な解決策があれば披瀝してほしい。それがないのなら、単なる集票目的のポーズにしか見えない。
ポーズでないのなら、国政選挙になれば先頭に立って自民党の応援をするのを止める方が効果的ではないか。領収書の要らない一億円を、医師会から受け取っている政党を応援しているような議員には相応しくない質問内容のような気がする。
長谷川議員
長谷川議員は3項目。「合併処理浄化槽設置補助制度について」と「グリーンライン90の整備促進状況について」それに「ボランティア、NPO組織への財政支援について」の3項目。
「合併処理浄化槽設置補助制度について」は、現在、旧美都町、旧匹見では補助金があるが、旧益田市ではないことについての不公平是正の解消を求める内容だろう。これは理解できる。しかし、ここまで公平感に鋭敏な議員なら、同時に維持管理費すら赤字になっている旧美都町の以上に安い農業用集落排水施設の使用料の値上げにも言及すべきだろう。
「グリーンライン90の整備促進状況について」とは、国道488号の整備に関する質問だろうが、この議員は、地元の「長沢トンネル」の官民グルミの「砒素隠ぺい事件」について何も発言したことがない。国や県がすべき整備事業と、「砒素隠ぺい工作」とは別の問題だろう。住民の健康被害への配慮より土建屋の仕事を優先するだけでは、「グリーンライン90」が完成した頃には住民はいなくなっているのではないか。
「ボランティア、NPO組織への財政支援について」だが、ボランティア、NPO組織のすべてが善意の塊ではない。行政が体よく下請けに使っている場合は別として、安易な財政支援はすべきではない。「アンダンテ21」なるNPOは、高津川の環境を守っていると豪語しているが、恋路山トンネル、長沢トンネルの悪質極まりない「砒素隠ぺい」には何の声も上げない。これは島根県から財政支援があるからだという。後段の質問二つは、典型的な、「あれもやれ!これもやれ!」質問でしかなく、見どころ。聞きどころ皆無。
大久保議員
大久保議員も3項目。「市政運営方針について」、「行財政改革(集中改革プラン)について」、
「まちづくりについて」だが、前回同様に、数少な市長シンパの議員として、仲良しクラブの「提灯質問」にならないか懸念する。
このあたりまで来ると、ほとんどの質問内容は重複しているから、答弁自体も重複してくる。何れにしても、喧々諤々の本格的議論は期待できそうもない。
野村議員
野村議員も3項目。「不況下における益田経済の活性化対策について」、「臨空ファクトリーパークの今後について」、「 地籍調査の促進について」というもので、どれも着眼点がよい。
「不況下における益田経済の活性化対策について」だが、そもそも、ここ数年間、益田経済の活性化対策などなかった。その上、最近になって、交付税や税収の落ち込みで公共事業が削減され、経済の落ち込みは深刻になってきていたのだが、産業振興につながる施策はこれといったものは見当たらない。議員の腹案を示して活発な議論を期待したい。
「臨空ファクトリーパークの今後について」だが、これは実に重要な課題だ。ここは島根県の土地開発公社の所有地で、島根県のものではない。そのため、完成から5年目には益田市が買い取るという契約が生きている。そのため、期限が迫る前に担当者が延期の交渉をしていたらしいが、最近はそれもないようだ。国は、地方自治体の土地開発公社の廃止を進めているなかで、何れはどういう形でか決着しなければならなくなるが、問題はその条件交渉だ。何時までも放置はできないなかで、市長の手腕が問われる。
「地籍調査」も避けては通られない。これも全市的な計画を立て、効率のよい進捗をはかるべきだが、今のままでは100年以上かかる。是非とも市長の決意を質すべきだろう。
渋谷議員
渋谷議員は2項目。ここでも「市長の政治姿勢について」がある。渋谷議員の質問は、後から議事録を読むと、なかなかよい質問をしているのが分るのだが、実際に傍聴していると、これが全く退屈なのはどういうことなのだろうか。
考えて見ると、一つはレスポンスの少なさである。原稿通りの質問をして、市長が答弁したらそれで終わる。答弁に対して即座に反応した適切なレスポンスがないから、議論が深まらない。
「一流のいなかまちづくりについて」。この分ったようで分らないキャッチコピーを、市民が理解できるところまで質問してほしいものだ。
これで、質問者すべての「見どころ・聞きどころ」を終わるのだが、不思議に思うことがある。先の議会で市長が提案しかけた「副市長」人事のことだ。前回は議会の反発もあって流れたが、市長就任から5ヶ月、何時までも選任しないわけにはいかないだろう。
ところが、18人もの議員が質問通告をしておきながら、明確に「副市長人事」についての質問項目をあげた議員が一人もいない。「市長の政治姿勢」という項目をあげた議員が、これに言及すればよいのだが、一人もいないとすればなんとも心もとないことだ。
河野議員
河野議員は2項目。「市民自治の向上への取り組みを問う」については、前回、「施政方針を示す場合、市民をはじめ関係者がオープンな場で一緒に論議していくのか」という質問に、市長は「その通りだ。どういうやり方がいいのか事務方で検討し、私が判断したい。今年度中に示したい。」と答えているが、一向にそのような雰囲気はない。事務方も検討している様子もない。市民自治向上の第一歩は、行政情報の共有化である。しかし、市長が代わっても状況は変わっていない。口先だけの約束なのか、年度内に着実に実現できる約束なのか、きちんと確認すべきだろう。
次の「人口減少と次世代育成のあり方を問う」だが、仮に、「良い知恵があれば示していただきたい」と市長から反問された場合、実現可能で効果的な腹案を披歴できるだけの準備があるかどうかが問題だ。なければ何の意味もない。
石田議員
石田議員も2項目。「地域医療に対する基本的な考え方を問う」と「地域医療の現状と取り組みについて」と、両方とも地域医療に関する質問だ。最近は地域医療問題の専門家になった雰囲気だが、日本中地域医療の現場は苦境に陥っている。地方はもとより、大都市周辺でも、診療科によっては医師不足による医療トラブルが頻出している。
地方の勤務医の過酷な労働条件緩和に法的強制もなく、財源的担保のない財政状況の逼迫した弱小自治体がいくら頑張っても根本的な解決の道はない。
福原議員のところでも述べたが、皆の耳目を集める何か具体的な解決策があれば披瀝してほしい。それがないのなら、単なる集票目的のポーズにしか見えない。
ポーズでないのなら、国政選挙になれば先頭に立って自民党の応援をするのを止める方が効果的ではないか。領収書の要らない一億円を、医師会から受け取っている政党を応援しているような議員には相応しくない質問内容のような気がする。
長谷川議員
長谷川議員は3項目。「合併処理浄化槽設置補助制度について」と「グリーンライン90の整備促進状況について」それに「ボランティア、NPO組織への財政支援について」の3項目。
「合併処理浄化槽設置補助制度について」は、現在、旧美都町、旧匹見では補助金があるが、旧益田市ではないことについての不公平是正の解消を求める内容だろう。これは理解できる。しかし、ここまで公平感に鋭敏な議員なら、同時に維持管理費すら赤字になっている旧美都町の以上に安い農業用集落排水施設の使用料の値上げにも言及すべきだろう。
「グリーンライン90の整備促進状況について」とは、国道488号の整備に関する質問だろうが、この議員は、地元の「長沢トンネル」の官民グルミの「砒素隠ぺい事件」について何も発言したことがない。国や県がすべき整備事業と、「砒素隠ぺい工作」とは別の問題だろう。住民の健康被害への配慮より土建屋の仕事を優先するだけでは、「グリーンライン90」が完成した頃には住民はいなくなっているのではないか。
「ボランティア、NPO組織への財政支援について」だが、ボランティア、NPO組織のすべてが善意の塊ではない。行政が体よく下請けに使っている場合は別として、安易な財政支援はすべきではない。「アンダンテ21」なるNPOは、高津川の環境を守っていると豪語しているが、恋路山トンネル、長沢トンネルの悪質極まりない「砒素隠ぺい」には何の声も上げない。これは島根県から財政支援があるからだという。後段の質問二つは、典型的な、「あれもやれ!これもやれ!」質問でしかなく、見どころ。聞きどころ皆無。
大久保議員
大久保議員も3項目。「市政運営方針について」、「行財政改革(集中改革プラン)について」、
「まちづくりについて」だが、前回同様に、数少な市長シンパの議員として、仲良しクラブの「提灯質問」にならないか懸念する。
このあたりまで来ると、ほとんどの質問内容は重複しているから、答弁自体も重複してくる。何れにしても、喧々諤々の本格的議論は期待できそうもない。
野村議員
野村議員も3項目。「不況下における益田経済の活性化対策について」、「臨空ファクトリーパークの今後について」、「 地籍調査の促進について」というもので、どれも着眼点がよい。
「不況下における益田経済の活性化対策について」だが、そもそも、ここ数年間、益田経済の活性化対策などなかった。その上、最近になって、交付税や税収の落ち込みで公共事業が削減され、経済の落ち込みは深刻になってきていたのだが、産業振興につながる施策はこれといったものは見当たらない。議員の腹案を示して活発な議論を期待したい。
「臨空ファクトリーパークの今後について」だが、これは実に重要な課題だ。ここは島根県の土地開発公社の所有地で、島根県のものではない。そのため、完成から5年目には益田市が買い取るという契約が生きている。そのため、期限が迫る前に担当者が延期の交渉をしていたらしいが、最近はそれもないようだ。国は、地方自治体の土地開発公社の廃止を進めているなかで、何れはどういう形でか決着しなければならなくなるが、問題はその条件交渉だ。何時までも放置はできないなかで、市長の手腕が問われる。
「地籍調査」も避けては通られない。これも全市的な計画を立て、効率のよい進捗をはかるべきだが、今のままでは100年以上かかる。是非とも市長の決意を質すべきだろう。
渋谷議員
渋谷議員は2項目。ここでも「市長の政治姿勢について」がある。渋谷議員の質問は、後から議事録を読むと、なかなかよい質問をしているのが分るのだが、実際に傍聴していると、これが全く退屈なのはどういうことなのだろうか。
考えて見ると、一つはレスポンスの少なさである。原稿通りの質問をして、市長が答弁したらそれで終わる。答弁に対して即座に反応した適切なレスポンスがないから、議論が深まらない。
「一流のいなかまちづくりについて」。この分ったようで分らないキャッチコピーを、市民が理解できるところまで質問してほしいものだ。
これで、質問者すべての「見どころ・聞きどころ」を終わるのだが、不思議に思うことがある。先の議会で市長が提案しかけた「副市長」人事のことだ。前回は議会の反発もあって流れたが、市長就任から5ヶ月、何時までも選任しないわけにはいかないだろう。
ところが、18人もの議員が質問通告をしておきながら、明確に「副市長人事」についての質問項目をあげた議員が一人もいない。「市長の政治姿勢」という項目をあげた議員が、これに言及すればよいのだが、一人もいないとすればなんとも心もとないことだ。
by nakayama-yutaka
| 2008-12-07 00:09
| 益田市議会
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