2008年 11月 27日
現在未聞の「補正予算」 |
旅費が底をついた?!
市長不在の影響とは
就任以来、益田市長の椅子は暖まるヒマがない。今月に入ってからでも、15日間が出張で益田市にはいない。それでなくても、市内にいる間も数々の行事に顔を出しているから、庁内にいる時間は少ない。
市長自らトップセールスを行うことを公約に掲げた市長だから、その対外的な行動を全て否定するわけではないが、先に足場を固めないと役所は機能しなくなる。
その大きな理由の一つに、日本の役所は「文書稟議主義」によって動いていることが挙げられる。重要な案件であれば、市長を中心に幹部職員が直接話し合って、様々な角度からその是非を論じて結論を得ることができる。しかし、ほとんどの案件は、担当職員が「稟議書」を作って、最低でも係長、課長補佐、課長、次長、部長、副市長、市長のハンコを押してもらって了承を取り付ける。建前の上では、瑣末なことであっても最終的に市長印がないと役所の仕事は前に進まないことになっている。
その役所で市長が不在だと、当然のことながら仕事は滞る。そのために、決裁権を分担できる副市長制度ができたのだが、副市長は不在だからどうしようもない。ハンコが一つないだけで、多くの事務・事業が遅れる。その遅れによる労力と金銭的なロスは少なくない。行政コストの削減は、人件費を減らすことだけではないのだが、それが理解できていない。
また、民間事業者などから申請された許認可の遅れによる経済的なロスも少なくない。場合によっては事業計画に大きな支障をきたす可能性もある。それも理解できていないようだ。
素人決裁の恐怖
市長は夜中でも決済する以外にないのだろうが、膨大な溜まった案件の中にはまったく理解できない案件も数多くあるはずだ。しかし、担当者の説明を聞く時間もなく、多くの案件が何事もないように机の上を通過する。
その中には、来年度の職員採用の案件もあったのではないか。あるいは、障害者雇用の伺いもあったのではないか。また、設計基準を超えた林道橋の通行許可も、市民の安全・安心など気にも留めずにハンコを押したのではないだろうか。部下に悪意があろうとなかろうと、こうした安直な決裁を重ねていけば、何れ大きな事故につながるだろう。市長にその全責任をとるだけの覚悟はあっても、最終的には公費で補てんすることになる。それは、市長がトップセールスをして得る益田市の利益を大幅に上回る可能性も高い。もう少し慎重な対応に努めるべきだろう。
ところで、就任から約100日経過した段階で、市長の出張旅費が底を尽き、今度の12月議会に提案される「補正予算」の中に、市長の出張旅費が入っているのだという。役所は予算の範囲内の仕事しかできないのが基本原則だ。今まで、市長の出張旅費の補正予算を組んだということを聞いたことがない。近隣の自治体の議員にも訊ねてみたが、そんな話は聞いたことがないと言う。
市長の給料をカットしたのは厳しい財政状況に対処するということではなかったのか。
この時期に、中国に行くことの意味
これまで本紙は、議員が公費を使って行う視察研修の報告がないことを批判してきた。これは読者の要求を代弁したものだ。議員の数十倍もの経費をかける市長の出張の報告も市民は望んでいるのではないか。「あそこに行きました。こっちに行きました。」だけの報告では済まないはずだ。
今から本格的に来年度の予算編成にとりかかるという時期に、これまでまったく自治体の予算編成に携わったことのない新市長が、なぜ中国に行かなければならないのか。これは、益田市を留守にする数日間の空白だけを問題にしているのではない。
市長自らが口にする、破たん寸前の益田市の財政状況の中で、リーダー自らが骨身を削って予算を組み立てていくという強い思いが市民に伝わってこなければ、財政改革など成功するはずがない。もちろん、職員にも伝わることもなければ、行政改革も困難になるだろう。
寧波市の市長に宛てた親書を届ければ、益田市との交流に悪影響を及ぼすこともない。今、中国に行って、益田市に何のメリットがあるというのか。何が一番大切なことなのかが理解できてなければ、公約は何一つ実現することは不可能だろう。
市長不在の影響とは
就任以来、益田市長の椅子は暖まるヒマがない。今月に入ってからでも、15日間が出張で益田市にはいない。それでなくても、市内にいる間も数々の行事に顔を出しているから、庁内にいる時間は少ない。
市長自らトップセールスを行うことを公約に掲げた市長だから、その対外的な行動を全て否定するわけではないが、先に足場を固めないと役所は機能しなくなる。
その大きな理由の一つに、日本の役所は「文書稟議主義」によって動いていることが挙げられる。重要な案件であれば、市長を中心に幹部職員が直接話し合って、様々な角度からその是非を論じて結論を得ることができる。しかし、ほとんどの案件は、担当職員が「稟議書」を作って、最低でも係長、課長補佐、課長、次長、部長、副市長、市長のハンコを押してもらって了承を取り付ける。建前の上では、瑣末なことであっても最終的に市長印がないと役所の仕事は前に進まないことになっている。
その役所で市長が不在だと、当然のことながら仕事は滞る。そのために、決裁権を分担できる副市長制度ができたのだが、副市長は不在だからどうしようもない。ハンコが一つないだけで、多くの事務・事業が遅れる。その遅れによる労力と金銭的なロスは少なくない。行政コストの削減は、人件費を減らすことだけではないのだが、それが理解できていない。
また、民間事業者などから申請された許認可の遅れによる経済的なロスも少なくない。場合によっては事業計画に大きな支障をきたす可能性もある。それも理解できていないようだ。
素人決裁の恐怖
市長は夜中でも決済する以外にないのだろうが、膨大な溜まった案件の中にはまったく理解できない案件も数多くあるはずだ。しかし、担当者の説明を聞く時間もなく、多くの案件が何事もないように机の上を通過する。
その中には、来年度の職員採用の案件もあったのではないか。あるいは、障害者雇用の伺いもあったのではないか。また、設計基準を超えた林道橋の通行許可も、市民の安全・安心など気にも留めずにハンコを押したのではないだろうか。部下に悪意があろうとなかろうと、こうした安直な決裁を重ねていけば、何れ大きな事故につながるだろう。市長にその全責任をとるだけの覚悟はあっても、最終的には公費で補てんすることになる。それは、市長がトップセールスをして得る益田市の利益を大幅に上回る可能性も高い。もう少し慎重な対応に努めるべきだろう。
ところで、就任から約100日経過した段階で、市長の出張旅費が底を尽き、今度の12月議会に提案される「補正予算」の中に、市長の出張旅費が入っているのだという。役所は予算の範囲内の仕事しかできないのが基本原則だ。今まで、市長の出張旅費の補正予算を組んだということを聞いたことがない。近隣の自治体の議員にも訊ねてみたが、そんな話は聞いたことがないと言う。
市長の給料をカットしたのは厳しい財政状況に対処するということではなかったのか。
この時期に、中国に行くことの意味
これまで本紙は、議員が公費を使って行う視察研修の報告がないことを批判してきた。これは読者の要求を代弁したものだ。議員の数十倍もの経費をかける市長の出張の報告も市民は望んでいるのではないか。「あそこに行きました。こっちに行きました。」だけの報告では済まないはずだ。
今から本格的に来年度の予算編成にとりかかるという時期に、これまでまったく自治体の予算編成に携わったことのない新市長が、なぜ中国に行かなければならないのか。これは、益田市を留守にする数日間の空白だけを問題にしているのではない。
市長自らが口にする、破たん寸前の益田市の財政状況の中で、リーダー自らが骨身を削って予算を組み立てていくという強い思いが市民に伝わってこなければ、財政改革など成功するはずがない。もちろん、職員にも伝わることもなければ、行政改革も困難になるだろう。
寧波市の市長に宛てた親書を届ければ、益田市との交流に悪影響を及ぼすこともない。今、中国に行って、益田市に何のメリットがあるというのか。何が一番大切なことなのかが理解できてなければ、公約は何一つ実現することは不可能だろう。
by nakayama-yutaka
| 2008-11-27 00:56
| 益田市政
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