2008年 04月 07日
まよえる「落としどころ」 |
迷える「落としどころ」
先に結論を出しておいて、それから適当にもっともらしい理由を後付けしておけば、「大過なく物事が進む。」と判断したのだろうが、最近はそう公務員に都合よくことは運べない。
今回の一連の「砒素騒動」で本誌が指摘するのは、無駄な税金の使い方をするなということだ。もちろん、砒素の溶出による健康被害の懸念を軽視するわけではないが、島根県の隠蔽・無責任体質が続けば今後も類似の事件が発生し、無駄な税金を投入することになる。それを今回の二つの事件をきっかけに改善すべきだということを指摘している。
新昭和トンネルについて言えば、島根県は既存の採石場の洗浄施設を使えば安く上がると単純に思い込んだのだろうが、砒素処理ができる洗浄施設が既存の採石場にあることの意味までは考えなかったようだ。また、地元住民やこれまで現場で汗をかいた関係者の労苦などまったく頭の中に浮かばなかったのだろう。
しかし、現実には県の当初計画であった現地に専用の洗浄施設を設置して処理をする方法で落札したゼネコンの金額より、今回の大畑建設他2社のJV(共同企業体)の落札金額が高かった。しかし、このことについて何の合理的な説明はできないままだ。
おまけに、採石場へ行く橋の不法通行が表に出てきた。積み替えをするにしても、砒素を含んだ掘削ズリを仮置きする場所も何らかの飛散・流出防止策が必要だろう。この費用はどこから出てくるのか。結局は税金しかないのだ。
そうこうしている間に、「砒素の処理方法は落札業者が決めることだ。」などと言い出したのだが、これは砒素処理の技術提案まで含めた総合評価方式の入札としては正しいが、それなら、なぜ入札説明書に「既存の採石場の洗浄施設を利用することを想定している。」などと書いたのか、という矛盾が出てくる。これにも明確な説明はしていない。
嘘の上に嘘を重ねてきているから、今頃になって地元説明会を始めたところで「利権屋の手先」以外に誰も信用しないだろうし、これまで単独で不透明な対応をしていた高津川漁協の組合長も辞任し、今後の協議はすべてオープンに行うと明言した新組合長の下では、簡単に公務員や利権屋の都合優先の話にはならないだろう。
何時までも放置できることではない。
島根県の体面を保つために、事態に対処できる予算措置が可能な時代であれば、簡単に税金を無駄遣いすれば世間の眼はごまかせただろうが、今の財政状況ではそうもいかない。
「落としどころ」をどうするか、これから島根県という組織のレベルが問われることになる。
本紙は、別口の長沢トンネルの砒素処理も含めて、さらに取材を継続し、読者に真実をレポートしていく。
先に結論を出しておいて、それから適当にもっともらしい理由を後付けしておけば、「大過なく物事が進む。」と判断したのだろうが、最近はそう公務員に都合よくことは運べない。
今回の一連の「砒素騒動」で本誌が指摘するのは、無駄な税金の使い方をするなということだ。もちろん、砒素の溶出による健康被害の懸念を軽視するわけではないが、島根県の隠蔽・無責任体質が続けば今後も類似の事件が発生し、無駄な税金を投入することになる。それを今回の二つの事件をきっかけに改善すべきだということを指摘している。
新昭和トンネルについて言えば、島根県は既存の採石場の洗浄施設を使えば安く上がると単純に思い込んだのだろうが、砒素処理ができる洗浄施設が既存の採石場にあることの意味までは考えなかったようだ。また、地元住民やこれまで現場で汗をかいた関係者の労苦などまったく頭の中に浮かばなかったのだろう。
しかし、現実には県の当初計画であった現地に専用の洗浄施設を設置して処理をする方法で落札したゼネコンの金額より、今回の大畑建設他2社のJV(共同企業体)の落札金額が高かった。しかし、このことについて何の合理的な説明はできないままだ。
おまけに、採石場へ行く橋の不法通行が表に出てきた。積み替えをするにしても、砒素を含んだ掘削ズリを仮置きする場所も何らかの飛散・流出防止策が必要だろう。この費用はどこから出てくるのか。結局は税金しかないのだ。
そうこうしている間に、「砒素の処理方法は落札業者が決めることだ。」などと言い出したのだが、これは砒素処理の技術提案まで含めた総合評価方式の入札としては正しいが、それなら、なぜ入札説明書に「既存の採石場の洗浄施設を利用することを想定している。」などと書いたのか、という矛盾が出てくる。これにも明確な説明はしていない。
嘘の上に嘘を重ねてきているから、今頃になって地元説明会を始めたところで「利権屋の手先」以外に誰も信用しないだろうし、これまで単独で不透明な対応をしていた高津川漁協の組合長も辞任し、今後の協議はすべてオープンに行うと明言した新組合長の下では、簡単に公務員や利権屋の都合優先の話にはならないだろう。
何時までも放置できることではない。
島根県の体面を保つために、事態に対処できる予算措置が可能な時代であれば、簡単に税金を無駄遣いすれば世間の眼はごまかせただろうが、今の財政状況ではそうもいかない。
「落としどころ」をどうするか、これから島根県という組織のレベルが問われることになる。
本紙は、別口の長沢トンネルの砒素処理も含めて、さらに取材を継続し、読者に真実をレポートしていく。
by nakayama-yutaka
| 2008-04-07 16:07
| 砒素騒動
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