2015年 11月 13日
経済講演会 |
「益田市振興の在り方」
講師: 原 屋 一 雄
・益田市の現状、長所、短所の分析・把握
地理的位置
国内:東京、大阪、広島、福岡等国内主要都市との距離
国外:ソウル、大連、上海等その他アジア圏主要都市との距離
天候、面積、風土
*やがて議論・実現する可能性がある道州制を睨んだ島根県及び益田
市の中国5県内での将来像の策定と準備(例え道州制が実現しない 場合も、今後ますます中国5県との関係は重要である)
・今後の世界、アジア、日本の流れの方向予測
政治的流れ、経済的潮流
中国は今も発展途上でありGDP6.5%の現状から下降しなければ将来も経済的発展拡大の予想で、政治的にもますます重要になる。
その他アジア新興諸国(インドネシア、マレーシア、インド、ベトナム、ラオス、カンボジア等)の経済的台頭は確実に予想できる。
文化的交流
日本文化の特異性と格調の高さは、現在以上に世界から注目され興味を抱かれるであろう。
*世界経済は米国一辺倒からBRICS(BRICs/ブラジル、ロシア、インド、中国+南アフリカ共和国)、アジア台頭の流れはますます大きくなるはず。同様に政治的力関係も米国主導の影響力は衰え、様々な新しい動きが今後現出するのは必至であろう。また、中国を中心とした東洋人の影響力の台頭は当然考えられる。故に日本の政治的経済的将来像の予測と主導は簡単ではない。米国一辺倒の外交・安保政策や経済関係維持は改めて行く必要性があると思える。
*欧州の政治的経済的影響力は依然それ相応に残るが、EU(欧州連合)自体の問題、中東の民族的対立や宗教的争いは永遠に残るだろうから、現状以上の世界的影響力拡大は考えられない。
・益田市の現在
今のまま何もしないで手をこまねいているなら、間違いなく自治体としての形は崩れ、消滅する市(編入・合併または改称により消滅する自治体)に陥るのは必至な予感がする。
その主要理由は、人口減少(既に人口5万人を割る現状からして、今後の人口自然減少や特に団塊世代の年齢が上がれば上がるほど人口減少が顕著になる予測)、経済的基盤(市長、市議、市民の危機感が極めて薄い為、本気で企業誘致や起業養成が成されて来ず、成人、若者への就業提供が壊滅状態)の脆弱とそれを補う政策の欠如、またこれまで益田市の主要産業であった第一次産業(農業、林業、漁業、鉱業)が衰退し、その他産業(第二次産業/製造業・建設業等、第三次産業/情報通信業・運輸業・金融保険業・不動産業・教育学習支援業・医療福祉・サービス業)へのシフトの発想や努力が全くされてない歴史。
それら起因から陥った益田市の財政破綻はやがて現実となり、福利厚生や医療施設の衰退(今ある病院数や医師数の限界到来)等公共サービスが劣化し住む場所としての機能が止まり、雪崩的に悪化の一途をたどる予感・危惧がする。
・益田市の未来
既述した益田市の現状、長所、短所の分析・把握、今後の世界、アジア、日本の流れの方向予測、益田市の現在 等を反芻しながら、衆知を集めた新しい発想や施策を、もはや後が無いぐらいの本気度で、官民一体となって作成・決意・決行する以外は益田市の残された生きる道は無いと考える次第である。
その一助として、下記ご提案を申し上げる次第である。有無を言わせない形でTPPが始まろうとしている。良し悪しの議論をしている暇も理由も見当たらない。現実を受け止め、益田市にとってのTPPの利益・不利益を精査し、利益になる方向性に特化する必要がある。
・今まで通りの方法の米作を中心にした農業は機能しないだろう。
何故なら、世界最大の輸出国であるタイ米や米国米の規模やコストに対抗することは大人と子供が喧嘩すると同じ様なものである。
では世間一般に流布されている品質の良い美味い米を作れば対抗できる等と言う考えはどうか?私見だが、益田市の一般的な耕作面積や田んぼの地形からして、幻想は持たない方が良い。
その現状から測れば、いくら品質の良い美味い米を作ったところで、その内容(品質、美味さ)とコスト(高い売値)は現実の安いタイ米や米国米の米価を比較した場合、経済的競争原理をした結果は惨敗に終
わる可能性があると想像出来る。
今後益田市で作るお米は、近隣や市内市民、自分達家族や親戚の食卓で自給自足賄う程度、地消地産的発想で良いのではなかろうか?
では他に手は無いのか?手をこまねいていては生きていけない。
「提案1」
益田市の現状環境下(地理的位置、天候、面積、風土等)で栽培し、TPPが益田市にとって利益になる野菜・果実等を早急に研究(農林試験場や民間研究団体に依頼可能)・決定し官民一体となり特化した農産物を武器に農業政策を展開する方向。勿論、現状に栽培されている益田市の特産物(例えばメロン等)の大量生産・コストダウンも提案の一つである。
ではその消費地(販売先)は何処を目標とするのか?
勿論国内主要都市も考えられるが、益田市の地理的位置は東京(関東)や大阪(関西)への距離より近いし数段のメリット(消費人口、品質比較、質的競争力)があると想定されるソウル(韓国)、大連、上海(中
国)等が消費地(販売先)としての最良候補地である。
勿論中国等の国は未だTPP参加国ではない。しかしTPPに代わる制度や国家間協定が既に存在するし、多分やがて中国等もTPPに参加や関連して行かざるを得なくなるだろうと考えられる。
勿論、その他消費地候補としてシンガポールやその他アジア主要都市は想定範囲内であると言える。
提案1の問題点は、運用手段である。
しかし、島根県を含んだ中国5県も同様な事情や環境にさらされている。ますます人口減少(消費者数減少)が予想される日本国内を相手では農業のみならず産業が成り立たなくなるのは必至であるから、中
国5県や地方創生を標榜する政府と組みながら、萩石見空港を国際貨物空港にすべきであると考える。既に空港は存在し、周辺には貨物(野菜果実や輸出産業品等)を置き得る土地が存在する。それら官民の土
地であろうと経済原則が成り立てば、開発利用は枝葉の問題であると楽観する次第である。
まさに、こう言う提案や方向性がTPP活用の将来への道なのである。
まず貨物便でのアジアへの進出(輸出貿易)が叶い、やがて成功が予測できる時点で、益田市近海の沿線の何処か(例えば鎌手地域辺り)に商業海港を立地させることも将来的重要施策である。
*提案1では例として主に農産物の輸出を述べたが、今後はIT関連企業作成のハードやソフトの機器や製品の輸出も当然考えられる。
「提案2」
提案1と関連する事項として、益田市をIT産業の中心地域に育てる提案である。既に島根県でも松江・出雲地方にIT産業企業の誘致が取りざたされているが、正直言うと、松江・出雲地方よりIT産業の誘致・起業・育成は益田市の方が適している土地柄だと確信する。
その理由は簡単である。
まず気候が温暖であり、残存土地開発やインフラ作成が容易である点。日照時間の長さも益田地域の有利性の一つ。IT関連作業労働者や技術者にとって生活環境は重要な要因である。IT産業従事者は健康面だけでなく精神面の重要性が指摘されている。それでなくともPCや機器に一日中面し、あるいは脳細胞と集中力を持続させなければならない業務面がある為、就業時間を外れた時間帯の精神面休息(ストレスから解放され、脳を休める必要)が必須である点。その面では、益田市は自然に恵まれ、天地とも解放感が存在する土地柄であることは重要な長所である。
また、土地柄と言うか地域性と言うか、益田市民は一般的に善人が多く、誠実な従業員確保が容易である点。勿論、当地域に就職できる企業が存在しなければ若者は仕方なく市外や都会地に就職する選択肢しかないから流出する。
しかし、当地域に仕事が得られればこの地域から流出したい若者は居ないはずである。何故なら、益田市地域は土地柄・気候的にも住居環境に適し、住み易い場所なのである。
要は仕事場の存在と生活を維持する為の収入があるかどうかの一点。
未来の働き手も益田翔陽高校を筆頭に誠実で賢い学生が数多く学んでいる。それら若者も提案の重要な担い手である。
提案結果:
結論から述べると、とりあえずの上記2提案は決して絵空事ではない。
官民一体となれば、特に現島根県知事は益田市出身の溝口善兵衛氏である重要な事実を踏まえれば、益田市民はもとより益田市関連政治家が本気になれば現実の世界の政治経済の流れからして、日本国、島根県及び中国5県地域あるいは益田市の浮沈を考えれば、TPPは絶好の生きる術であり生き残り再生する最大最後のチャンスだと確信する。
そして最も重要な点は、それら発案・計画作成・工程表立案・資金集め等を現実化する能力が果たして益田市にあるかないか、そう言う人材が果たして益田市に存在するか否かと言う点である。
勿論、マッキンゼー等民間研究機関やコンサルティングファームは多々存在するが、それら機関や民間団体を利用するだけの知識や能力の存否、そしてある程度の初期投資(資金)が必要であることを益田市が容認受託するかどうかの点も重要である。
これからの長い未来を予測し活きて行く為の投資資金としては大した投資金額にはならないだろうが、馴染みのないその様なリサーチやコンサルタント料に対する市民や市役所の理解は必須である。
提案に対する資金集め方法:
ここではひな形も決まらない現時点での国際貨物便や商業海港の創設資金の算出は控えることとするが、それらインフラが本当に必要で利便性、収益性が期待出来るなら金と言う代物は必ず集まるものだと体験する。
地方自治体予算、国家予算等からの資金やそれらに加え民間投資資金(例えば世界にまたがり投資資金を提供している世界の資産運用会社の利用、あるいは日本の個人投資家の運用資産を募ることも現在の金融環境からして難しい課題ではないと考えられる。
そして最も重要な点は、益田市自身のこの様なプロジェクトに対する理解と支援の本気度である。可能な範囲での今後の誘致企業や進出企業や新たな産業育成企業や産業従事者への税金への恩典・免除、あるいは企業が実際に活動する拠点等への支援や準備である。少なくともこれから始まる経済・企業活動は益田市や益田市民にとってはお客様である。最大最高のおもてなしの用意は当然であるし、全国の様々な自治体が生き残りをかけて競争する中での準備と覚悟は当然と思わなくてはならない。
益田市の特性と必要性を生かした生き残り作戦
昨今の都会地域において極めて大きな問題になっていることとして、介護施設の不足、またその介護内容や対応の質の問題がある。
勿論益田市の様なやや閑散な自治体も介護の問題は極めて深刻であることは承知している。
この問題は現政府も重要な課題として取り組もうとはしている。しかし、それぞれの地域には異なった問題や条件が常に付帯するはずである。
全国一律に、固定された法律でこの問題を解決しようとしてもそれはなかなか困難なことであると感じる。
ならば、この介護施設不足や介護する人間不足の問題を積極的に地方(自治体)創生、再生の手段として利用する発想はいかがだろうか?
結論的に言えば、益田市は益田市民のみならず全国特に大都市圏の介護を必要としている対象者を積極的に受け入れていく施策を緊急に精査し実行することを推奨するものである。例えば、山間地区や海岸地区にはその為にまだ利用可能な土地や良好な環境が数多く益田市には存在する。
そして常に乗客率を気にしながら飛行しているが、見事に整備された萩石見空港が存在する。風光明媚、豊かで健康的な自然、温暖な気候、誠実で穏やかな市民の人柄、これら整った環境は日本広しと言えどもなかなか見当たらない。
残る課題は介護人の確保、適度な医者の配置、そして介護施設の建設であろう。先ほどの提案の項でも述べたとおり、生産性のある介護プロジェクトに対し、介護は純粋な商売でなないが、今後の日本におけるビジネスの一環になり得る重要な対象の介護産業には資金は集まるし集められると確信する次第である。
医者の確保も、基本が世の為人の為になる医療参画、そしてある程度の安定的収入が期待出来るなら難しいことではないと確信する。
では介護人の確保はとなると、今後の人口減少の趨勢や少子化の流れからして日本人のみの介護人確保はまず困難である。
但し、当面の介護人の主導はやはり日本人で行い、その後は日本人に勝る日本人らしい謙虚さと誠実性を持つ質の高い海外からの介護人を教育、養成すべきである。語学研修施設(あるいは語学学校)も中国語・英語に特化して解説すれば良い。
現政府も漸次ではあるがその方向に向かいつつある。
日本政府は当面移民政策を採らないであろうから、ワーキング(労働)ビザに拠る外国籍の介護人を積極的採用すべき道しか現状ではない。
しかし、10年単位では日本国、日本人のあり方は激変することは必至であるから当然移民政策もやがて取り入れざるを得ない時代の到来は必至である。
では今何をなすべきか。答えは、益田市の特性と必要性を生かした生き残り作戦 の具体化に向け歩み始めることである。
まずベースとなる基本的企画を研究精査し、実際にどのくらいの人数の介護者の存在があるか時間軸と照らし合わせ調査予測し、その結果を踏まえ具体的海外調査(外国籍介護人の確保)の実行、確保すべき医者の大よその人数と可能性、そして厳格な収支計算の予想を立てるべきである。
もしこの生き残り作戦が実現した暁には、益田市には色々な関連恩典が発生するはずである。
例えば、介護施設の新規参入と益田市在住介護者の増加にともない自治体(益田市も)収入の主要税である市民税と固定資産税が間違いなく計算でき悪化した財政再建の一助となる。
都会や市外に住む介護者の家族は見舞い様子見の為、月一か少なくとも半年に一度の頻度で益田市を訪れるであろう。それに付随して当然萩石見空港を利用する搭乗率も大きく改善されるはずである。
羽田空港と萩石見空港間の航空券料金は決して安価ではないのが現状。
しかし、搭乗率が上がり、もし飛行便数が将来増えるならその料金が安くなるのは当然である。そうなれば、介護関係以外の航空便利用者も増え、萩や津和野のみならず益田市内に滞在する宿泊者も増えるであろう。また、客を呼ぶほどの観光地や施設に乏しい益田市も観光以外の場所や施設の創設や工夫をすることにより訪問者の到来を期待出来るし、その様な方向での努力をすべきである。
グランドゴルフ然り、石見神楽、高津川の鮎釣り、匹見川上流や中国山脈の散策やハイキング、侵されていない自然への招待等例を上げれば可能性が大きく広がる自然環境がこの地には存在する。何故この様な発想を当局の関係者がしないのか不思議に思える次第。
そして重要課題は、益田市のアジア主要都市との地理的優位性を今後は大いに活用すべき道を模索すべきである。ソウル、上海は直ぐ近くにあることを忘れてはいけない。前述の国際貨物便のみならず、やがては国際空港に萩石見空港を格上げするぐらいの発想を夢を持つべきである。
最近の海外からの日本訪問者は決して有名観光地のみを訪れてはいない傾向が顕著になりつつある。日本の自然や食べ物や人間への関心が以前と比べれば格段の大きさに変化してきているしその傾向はますます顕著となるであろう。
何処の自治体にも出来る話と出来ない話は混在する。
しかし、この益田市や近隣地域は大きく発展する可能性を含んでいる。
東日本大震災後生活し住むことに関する様々な議論がなされてきた。
福島県を筆頭に東北の被災県は今も悩み苦しんでいるのが現実である。私見であるが、なかなかそれら地域に新たに住居を構える人間は多くは増えて来ないのも現実である。
また、恒常的に東海地震予知の懸念がささやかれ続けている。その背景には経済的に糧を得る為には仕方なく東京を筆頭に神奈川、静岡、愛知地域に住まざるを得ない理由が存在し、もし地震が起きた場合は仕方ない的諦め感が蔓延している。
新大阪駅から新幹線に乗り博多までの行程から一目同前で認識できる光景が見られる。ほとんどの沿線には家屋や工場が立ち並び、今後大きく発展する地理的条件は薄く、生活して住む環境としては芳しい光景ではないと感じられる。
では日本海沿線はどうか。所々の地域には発展の可能性は見受けられるが
私事私見を除いても、益田市地域の環境は極めて魅力的で健康的である。この地域を中心とした生活し住むプロジェクト、人間の幸せを会得できる環境の創生、その為の交通アクセスの充実、空港の拡充格上げ、近隣諸国との交流、色々な可能性を秘めたこの地域の創生と発展は絵空事ではなく現実味を必ず帯びて来るだろう。
その為には益田市民自身がもっと勉強し、意志を固め、自治体や国を動かす覚悟を持つことが重要である。それは子子孫孫へバトンタッチをする責務である。また、この地域の発展なくして日本国の未来は語れない。何故なら、既存繁栄都市はほとんどこれ以上の発展の余地は薄いと考えるし、現にむしろそれら都市自体の様々な問題が散見されるのが現状である。
本日の講演は、扇動的でも荒唐無稽の提案でもないと考える次第です。
人間誰しも窮地に落ちればもがくだけではなく必死にその窮地から逃れ生きたいと思う様に、益田市も益田市民もまさに窮地に落ちるかも知れない土壇場がすぐ目の前に到来する現実をしっかり認識し、現状を打開し、幸せで平和な未来の為に夫々の生存中に最善を尽くす責務が子供や孫の為にあるし、今生きている恩恵を授かった祖先へのお返しであろう。
以上
講師: 原 屋 一 雄
・益田市の現状、長所、短所の分析・把握
地理的位置
国内:東京、大阪、広島、福岡等国内主要都市との距離
国外:ソウル、大連、上海等その他アジア圏主要都市との距離
天候、面積、風土
*やがて議論・実現する可能性がある道州制を睨んだ島根県及び益田
市の中国5県内での将来像の策定と準備(例え道州制が実現しない 場合も、今後ますます中国5県との関係は重要である)
・今後の世界、アジア、日本の流れの方向予測
政治的流れ、経済的潮流
中国は今も発展途上でありGDP6.5%の現状から下降しなければ将来も経済的発展拡大の予想で、政治的にもますます重要になる。
その他アジア新興諸国(インドネシア、マレーシア、インド、ベトナム、ラオス、カンボジア等)の経済的台頭は確実に予想できる。
文化的交流
日本文化の特異性と格調の高さは、現在以上に世界から注目され興味を抱かれるであろう。
*世界経済は米国一辺倒からBRICS(BRICs/ブラジル、ロシア、インド、中国+南アフリカ共和国)、アジア台頭の流れはますます大きくなるはず。同様に政治的力関係も米国主導の影響力は衰え、様々な新しい動きが今後現出するのは必至であろう。また、中国を中心とした東洋人の影響力の台頭は当然考えられる。故に日本の政治的経済的将来像の予測と主導は簡単ではない。米国一辺倒の外交・安保政策や経済関係維持は改めて行く必要性があると思える。
*欧州の政治的経済的影響力は依然それ相応に残るが、EU(欧州連合)自体の問題、中東の民族的対立や宗教的争いは永遠に残るだろうから、現状以上の世界的影響力拡大は考えられない。
・益田市の現在
今のまま何もしないで手をこまねいているなら、間違いなく自治体としての形は崩れ、消滅する市(編入・合併または改称により消滅する自治体)に陥るのは必至な予感がする。
その主要理由は、人口減少(既に人口5万人を割る現状からして、今後の人口自然減少や特に団塊世代の年齢が上がれば上がるほど人口減少が顕著になる予測)、経済的基盤(市長、市議、市民の危機感が極めて薄い為、本気で企業誘致や起業養成が成されて来ず、成人、若者への就業提供が壊滅状態)の脆弱とそれを補う政策の欠如、またこれまで益田市の主要産業であった第一次産業(農業、林業、漁業、鉱業)が衰退し、その他産業(第二次産業/製造業・建設業等、第三次産業/情報通信業・運輸業・金融保険業・不動産業・教育学習支援業・医療福祉・サービス業)へのシフトの発想や努力が全くされてない歴史。
それら起因から陥った益田市の財政破綻はやがて現実となり、福利厚生や医療施設の衰退(今ある病院数や医師数の限界到来)等公共サービスが劣化し住む場所としての機能が止まり、雪崩的に悪化の一途をたどる予感・危惧がする。
・益田市の未来
既述した益田市の現状、長所、短所の分析・把握、今後の世界、アジア、日本の流れの方向予測、益田市の現在 等を反芻しながら、衆知を集めた新しい発想や施策を、もはや後が無いぐらいの本気度で、官民一体となって作成・決意・決行する以外は益田市の残された生きる道は無いと考える次第である。
その一助として、下記ご提案を申し上げる次第である。有無を言わせない形でTPPが始まろうとしている。良し悪しの議論をしている暇も理由も見当たらない。現実を受け止め、益田市にとってのTPPの利益・不利益を精査し、利益になる方向性に特化する必要がある。
・今まで通りの方法の米作を中心にした農業は機能しないだろう。
何故なら、世界最大の輸出国であるタイ米や米国米の規模やコストに対抗することは大人と子供が喧嘩すると同じ様なものである。
では世間一般に流布されている品質の良い美味い米を作れば対抗できる等と言う考えはどうか?私見だが、益田市の一般的な耕作面積や田んぼの地形からして、幻想は持たない方が良い。
その現状から測れば、いくら品質の良い美味い米を作ったところで、その内容(品質、美味さ)とコスト(高い売値)は現実の安いタイ米や米国米の米価を比較した場合、経済的競争原理をした結果は惨敗に終
わる可能性があると想像出来る。
今後益田市で作るお米は、近隣や市内市民、自分達家族や親戚の食卓で自給自足賄う程度、地消地産的発想で良いのではなかろうか?
では他に手は無いのか?手をこまねいていては生きていけない。
「提案1」
益田市の現状環境下(地理的位置、天候、面積、風土等)で栽培し、TPPが益田市にとって利益になる野菜・果実等を早急に研究(農林試験場や民間研究団体に依頼可能)・決定し官民一体となり特化した農産物を武器に農業政策を展開する方向。勿論、現状に栽培されている益田市の特産物(例えばメロン等)の大量生産・コストダウンも提案の一つである。
ではその消費地(販売先)は何処を目標とするのか?
勿論国内主要都市も考えられるが、益田市の地理的位置は東京(関東)や大阪(関西)への距離より近いし数段のメリット(消費人口、品質比較、質的競争力)があると想定されるソウル(韓国)、大連、上海(中
国)等が消費地(販売先)としての最良候補地である。
勿論中国等の国は未だTPP参加国ではない。しかしTPPに代わる制度や国家間協定が既に存在するし、多分やがて中国等もTPPに参加や関連して行かざるを得なくなるだろうと考えられる。
勿論、その他消費地候補としてシンガポールやその他アジア主要都市は想定範囲内であると言える。
提案1の問題点は、運用手段である。
しかし、島根県を含んだ中国5県も同様な事情や環境にさらされている。ますます人口減少(消費者数減少)が予想される日本国内を相手では農業のみならず産業が成り立たなくなるのは必至であるから、中
国5県や地方創生を標榜する政府と組みながら、萩石見空港を国際貨物空港にすべきであると考える。既に空港は存在し、周辺には貨物(野菜果実や輸出産業品等)を置き得る土地が存在する。それら官民の土
地であろうと経済原則が成り立てば、開発利用は枝葉の問題であると楽観する次第である。
まさに、こう言う提案や方向性がTPP活用の将来への道なのである。
まず貨物便でのアジアへの進出(輸出貿易)が叶い、やがて成功が予測できる時点で、益田市近海の沿線の何処か(例えば鎌手地域辺り)に商業海港を立地させることも将来的重要施策である。
*提案1では例として主に農産物の輸出を述べたが、今後はIT関連企業作成のハードやソフトの機器や製品の輸出も当然考えられる。
「提案2」
提案1と関連する事項として、益田市をIT産業の中心地域に育てる提案である。既に島根県でも松江・出雲地方にIT産業企業の誘致が取りざたされているが、正直言うと、松江・出雲地方よりIT産業の誘致・起業・育成は益田市の方が適している土地柄だと確信する。
その理由は簡単である。
まず気候が温暖であり、残存土地開発やインフラ作成が容易である点。日照時間の長さも益田地域の有利性の一つ。IT関連作業労働者や技術者にとって生活環境は重要な要因である。IT産業従事者は健康面だけでなく精神面の重要性が指摘されている。それでなくともPCや機器に一日中面し、あるいは脳細胞と集中力を持続させなければならない業務面がある為、就業時間を外れた時間帯の精神面休息(ストレスから解放され、脳を休める必要)が必須である点。その面では、益田市は自然に恵まれ、天地とも解放感が存在する土地柄であることは重要な長所である。
また、土地柄と言うか地域性と言うか、益田市民は一般的に善人が多く、誠実な従業員確保が容易である点。勿論、当地域に就職できる企業が存在しなければ若者は仕方なく市外や都会地に就職する選択肢しかないから流出する。
しかし、当地域に仕事が得られればこの地域から流出したい若者は居ないはずである。何故なら、益田市地域は土地柄・気候的にも住居環境に適し、住み易い場所なのである。
要は仕事場の存在と生活を維持する為の収入があるかどうかの一点。
未来の働き手も益田翔陽高校を筆頭に誠実で賢い学生が数多く学んでいる。それら若者も提案の重要な担い手である。
提案結果:
結論から述べると、とりあえずの上記2提案は決して絵空事ではない。
官民一体となれば、特に現島根県知事は益田市出身の溝口善兵衛氏である重要な事実を踏まえれば、益田市民はもとより益田市関連政治家が本気になれば現実の世界の政治経済の流れからして、日本国、島根県及び中国5県地域あるいは益田市の浮沈を考えれば、TPPは絶好の生きる術であり生き残り再生する最大最後のチャンスだと確信する。
そして最も重要な点は、それら発案・計画作成・工程表立案・資金集め等を現実化する能力が果たして益田市にあるかないか、そう言う人材が果たして益田市に存在するか否かと言う点である。
勿論、マッキンゼー等民間研究機関やコンサルティングファームは多々存在するが、それら機関や民間団体を利用するだけの知識や能力の存否、そしてある程度の初期投資(資金)が必要であることを益田市が容認受託するかどうかの点も重要である。
これからの長い未来を予測し活きて行く為の投資資金としては大した投資金額にはならないだろうが、馴染みのないその様なリサーチやコンサルタント料に対する市民や市役所の理解は必須である。
提案に対する資金集め方法:
ここではひな形も決まらない現時点での国際貨物便や商業海港の創設資金の算出は控えることとするが、それらインフラが本当に必要で利便性、収益性が期待出来るなら金と言う代物は必ず集まるものだと体験する。
地方自治体予算、国家予算等からの資金やそれらに加え民間投資資金(例えば世界にまたがり投資資金を提供している世界の資産運用会社の利用、あるいは日本の個人投資家の運用資産を募ることも現在の金融環境からして難しい課題ではないと考えられる。
そして最も重要な点は、益田市自身のこの様なプロジェクトに対する理解と支援の本気度である。可能な範囲での今後の誘致企業や進出企業や新たな産業育成企業や産業従事者への税金への恩典・免除、あるいは企業が実際に活動する拠点等への支援や準備である。少なくともこれから始まる経済・企業活動は益田市や益田市民にとってはお客様である。最大最高のおもてなしの用意は当然であるし、全国の様々な自治体が生き残りをかけて競争する中での準備と覚悟は当然と思わなくてはならない。
益田市の特性と必要性を生かした生き残り作戦
昨今の都会地域において極めて大きな問題になっていることとして、介護施設の不足、またその介護内容や対応の質の問題がある。
勿論益田市の様なやや閑散な自治体も介護の問題は極めて深刻であることは承知している。
この問題は現政府も重要な課題として取り組もうとはしている。しかし、それぞれの地域には異なった問題や条件が常に付帯するはずである。
全国一律に、固定された法律でこの問題を解決しようとしてもそれはなかなか困難なことであると感じる。
ならば、この介護施設不足や介護する人間不足の問題を積極的に地方(自治体)創生、再生の手段として利用する発想はいかがだろうか?
結論的に言えば、益田市は益田市民のみならず全国特に大都市圏の介護を必要としている対象者を積極的に受け入れていく施策を緊急に精査し実行することを推奨するものである。例えば、山間地区や海岸地区にはその為にまだ利用可能な土地や良好な環境が数多く益田市には存在する。
そして常に乗客率を気にしながら飛行しているが、見事に整備された萩石見空港が存在する。風光明媚、豊かで健康的な自然、温暖な気候、誠実で穏やかな市民の人柄、これら整った環境は日本広しと言えどもなかなか見当たらない。
残る課題は介護人の確保、適度な医者の配置、そして介護施設の建設であろう。先ほどの提案の項でも述べたとおり、生産性のある介護プロジェクトに対し、介護は純粋な商売でなないが、今後の日本におけるビジネスの一環になり得る重要な対象の介護産業には資金は集まるし集められると確信する次第である。
医者の確保も、基本が世の為人の為になる医療参画、そしてある程度の安定的収入が期待出来るなら難しいことではないと確信する。
では介護人の確保はとなると、今後の人口減少の趨勢や少子化の流れからして日本人のみの介護人確保はまず困難である。
但し、当面の介護人の主導はやはり日本人で行い、その後は日本人に勝る日本人らしい謙虚さと誠実性を持つ質の高い海外からの介護人を教育、養成すべきである。語学研修施設(あるいは語学学校)も中国語・英語に特化して解説すれば良い。
現政府も漸次ではあるがその方向に向かいつつある。
日本政府は当面移民政策を採らないであろうから、ワーキング(労働)ビザに拠る外国籍の介護人を積極的採用すべき道しか現状ではない。
しかし、10年単位では日本国、日本人のあり方は激変することは必至であるから当然移民政策もやがて取り入れざるを得ない時代の到来は必至である。
では今何をなすべきか。答えは、益田市の特性と必要性を生かした生き残り作戦 の具体化に向け歩み始めることである。
まずベースとなる基本的企画を研究精査し、実際にどのくらいの人数の介護者の存在があるか時間軸と照らし合わせ調査予測し、その結果を踏まえ具体的海外調査(外国籍介護人の確保)の実行、確保すべき医者の大よその人数と可能性、そして厳格な収支計算の予想を立てるべきである。
もしこの生き残り作戦が実現した暁には、益田市には色々な関連恩典が発生するはずである。
例えば、介護施設の新規参入と益田市在住介護者の増加にともない自治体(益田市も)収入の主要税である市民税と固定資産税が間違いなく計算でき悪化した財政再建の一助となる。
都会や市外に住む介護者の家族は見舞い様子見の為、月一か少なくとも半年に一度の頻度で益田市を訪れるであろう。それに付随して当然萩石見空港を利用する搭乗率も大きく改善されるはずである。
羽田空港と萩石見空港間の航空券料金は決して安価ではないのが現状。
しかし、搭乗率が上がり、もし飛行便数が将来増えるならその料金が安くなるのは当然である。そうなれば、介護関係以外の航空便利用者も増え、萩や津和野のみならず益田市内に滞在する宿泊者も増えるであろう。また、客を呼ぶほどの観光地や施設に乏しい益田市も観光以外の場所や施設の創設や工夫をすることにより訪問者の到来を期待出来るし、その様な方向での努力をすべきである。
グランドゴルフ然り、石見神楽、高津川の鮎釣り、匹見川上流や中国山脈の散策やハイキング、侵されていない自然への招待等例を上げれば可能性が大きく広がる自然環境がこの地には存在する。何故この様な発想を当局の関係者がしないのか不思議に思える次第。
そして重要課題は、益田市のアジア主要都市との地理的優位性を今後は大いに活用すべき道を模索すべきである。ソウル、上海は直ぐ近くにあることを忘れてはいけない。前述の国際貨物便のみならず、やがては国際空港に萩石見空港を格上げするぐらいの発想を夢を持つべきである。
最近の海外からの日本訪問者は決して有名観光地のみを訪れてはいない傾向が顕著になりつつある。日本の自然や食べ物や人間への関心が以前と比べれば格段の大きさに変化してきているしその傾向はますます顕著となるであろう。
何処の自治体にも出来る話と出来ない話は混在する。
しかし、この益田市や近隣地域は大きく発展する可能性を含んでいる。
東日本大震災後生活し住むことに関する様々な議論がなされてきた。
福島県を筆頭に東北の被災県は今も悩み苦しんでいるのが現実である。私見であるが、なかなかそれら地域に新たに住居を構える人間は多くは増えて来ないのも現実である。
また、恒常的に東海地震予知の懸念がささやかれ続けている。その背景には経済的に糧を得る為には仕方なく東京を筆頭に神奈川、静岡、愛知地域に住まざるを得ない理由が存在し、もし地震が起きた場合は仕方ない的諦め感が蔓延している。
新大阪駅から新幹線に乗り博多までの行程から一目同前で認識できる光景が見られる。ほとんどの沿線には家屋や工場が立ち並び、今後大きく発展する地理的条件は薄く、生活して住む環境としては芳しい光景ではないと感じられる。
では日本海沿線はどうか。所々の地域には発展の可能性は見受けられるが
私事私見を除いても、益田市地域の環境は極めて魅力的で健康的である。この地域を中心とした生活し住むプロジェクト、人間の幸せを会得できる環境の創生、その為の交通アクセスの充実、空港の拡充格上げ、近隣諸国との交流、色々な可能性を秘めたこの地域の創生と発展は絵空事ではなく現実味を必ず帯びて来るだろう。
その為には益田市民自身がもっと勉強し、意志を固め、自治体や国を動かす覚悟を持つことが重要である。それは子子孫孫へバトンタッチをする責務である。また、この地域の発展なくして日本国の未来は語れない。何故なら、既存繁栄都市はほとんどこれ以上の発展の余地は薄いと考えるし、現にむしろそれら都市自体の様々な問題が散見されるのが現状である。
本日の講演は、扇動的でも荒唐無稽の提案でもないと考える次第です。
人間誰しも窮地に落ちればもがくだけではなく必死にその窮地から逃れ生きたいと思う様に、益田市も益田市民もまさに窮地に落ちるかも知れない土壇場がすぐ目の前に到来する現実をしっかり認識し、現状を打開し、幸せで平和な未来の為に夫々の生存中に最善を尽くす責務が子供や孫の為にあるし、今生きている恩恵を授かった祖先へのお返しであろう。
以上
by nakayama-yutaka
| 2015-11-13 09:19
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