2015年 02月 17日
県議会 |
田中八洲男議員の県議会質問Ⅱ
◇ 地方の対策について。
地域の特性に即した地域課題の解決という項目が基本的視点の3つ目に入っております。そして、検討課題として、中山間地域等に関しては心豊かな生活ができるように生活支援サービスを推進していく、と記載してございます。
それから、地域中枢拠点都市及びその近隣市町村、地域連携を推進して活力ある経済圏をつくる、あるいは人を呼び込む地域拠点をつくる。中山間地域に対する配慮を忘れることはないけれども、それはむしろ心豊かな生活をつくることを目標にしてこれからの政策を推進していく、そのような意味に私は受け取っております。
過疎対策、恐らく20年以上の期間実施されたものだと私は理解をしております。私自身、市長として過疎対策に取り組みました。そのときに私自身が抱いた感想を率直に申し上げます。
過疎対策は有効にそれぞれ機能しているけれど、残念ながら過疎はとまらない。過疎対策の目標はクオリティー・オブ・ライフ、要するに住民に満足感を与えることを目標に活動しなければならない、これが当時抱いた私の結論とも言える感想でございます。
今なお過疎対策、中山間地対策は、残念ながらとめられない部分は明らかに存在するという考え方のもとに、島根県というくくりを考えたときには、地方の拠点となる都市あるいはその都市と連携した周辺の市町村、ここに集中的に資源を投入して人口減少対策を行う、周辺地域においては通勤可能範囲として人口増加を図る、そういった取り組みが今やむを得ないのではないかと考えております。
そういう意味で、島根県は人口対策本部を設置されました。市長さんや町長さん、村長さん、首長さんとさまざまな懇談を行っておりますが、ここで質問をさせていただきます。
人口対策本部の趣旨や目的は必ずしも明確ではございません。市町村の意見の吸い上げは当然といたしましても、私としては、地域連携の構築に最大の力を発揮すべきではないか、このことを重要な課題として議論を進めていくべきではないかと考えておりますが、いかがお考えでしょうか。
私は、この人口対策本部が各市町村と協議をする中で、具体的な地方の知恵を生かしながら、達成すべき目標が具体的に設定できるのかどうか、そんなことを一生懸命に考えていただきたいと考えております。
◇グラントワの件について質問させていただきます。
島根県芸術文化センター、益田にございます、略称グラントワでございます。率直に申し上げまして、美術館とホールを併用したこの建物、恐らく中国地方でも三指に入るぐらいの立派な施設ではなかろうかと自負をしております。
そのグラントワが10周年を迎えます。開館のときの記念事業、これ大変すばらしいものでした。例えば、世界的な指揮者である小澤征爾さんがタクトを振るわれました。インターネットで売った切符は、ほんの数分間で全部売り切れたそうです。随分県外からたくさんの方々が来られました。あるいは、エルミタージュ美術館、ロシアの立派な美術館ですけれど、この展覧会も非常にすばらしいものでした。中庭を利用して、薪能が行われました。人間国宝の喜多家の重鎮を呼んで、あわせて有名な狂言師であります野村萬斎さんなどを呼んで、船弁慶という演目をやられました。非常に動きの激しい勇壮な演目なんですけど、私、感心して見ておりました。
開館のときにはこれだけ立派な事業をしていただいたんですけれど、10周年のときにも、財政は逼迫しておりますけど、できる限り多くの方々が来館されるよう周年事業を考えていただきたいと思うんでございますが、周年事業に関して検討は進んでおりますでしょうかどうでしょうか、知事から御答弁をお願いしたいと思います。
◆知事(溝口善兵衛) 分散の主張とふるさと知事ネットワークについてのご質問でございます。
ふるさと知事ネットワークは、自立と分散による豊かな日本を目指す知事が連携して、これまで国へいろんな提案をしました、三重県で開かれた会合でも、人口減対策に対しまして、議員も紹介されましたけれども、分散についての提言をしています。
ふるさと知事ネットワークでもこれからもいろんな活動をしてまいりますけども、重点要望で県自身としてやることもありますし、あるいは知事会全体としてやることもありますし、いろんな組み合わせの中で国に対して要望等を行っていきたい。
次に、ふるさと知事ネットワークなどから経済団体、私立大学協会などへの働きかけは考えられないのかというご質問であります。
企業や私立大学の一般的なニーズや動向を把握するためには、そうした関係団体に対しまして情報提供をしたり意見交換をするということは大事なことだと思います。
しかし、こうした経済関係あるいは私学関係の団体は、個別の企業や大学の方針を決定する権限とか力はそんなには持ってない。現実に個々の企業あるいは大学が地方に大きな投資をして地方への移転を図ろうということがないと進まない。これは難しいことでございます。
企業自身が移転をするというのは大変難しいことだと。コマツの場合は、調達と研修の部分を石川県のほうに長年時間をかけてやったんだと。全体の機能からいえば1割弱ぐらいでしょうかねと。やはり大企業は、その周辺にいろんな産業の集積、知識の集積があるからそこで本社機能が発揮される、あるいは海外との関係もあるわけで、家族自身もそこで子どもたちが学校へ行ったり、本社機能がいきなり地方に移転するというのは難しいという見解であり、インセンティブを与えながら、できるものからやっていくというような感じではありました。
しかし、大学あるいは企業、政府機関などが移転をするということは非常に役に立つわけで、この分野を我々としても国に、あるいは民間企業等に接触をして、そういうことを検討してもらうと、これはぜひとも一生懸命やっていきたい。
◆県の人口対策本部において市町村の地域連携の構築に取り組むことについてのご質問がありました。
まち・ひと・しごと創生本部で決定された基本方針の中では、人口4万人以上の都市と近隣市町村による地域連携を推進するとされております。
基本方針では、2つの例を提示しております。1つは、地方中枢拠点都市、これは人口20万人以上と近隣の市町村の連携、それから総務省が進めております定住自立圏による連携、定住自立圏の場合は今のところ中心都市の人口が4万人以上ということになっております。
しかし、島根県におきましては、人口が二、三万人でありましても地域の医療とか介護の拠点となっており、全国一律の人口基準ではなく地域の実情に合わせた支援を考えるべきであると主張をしてきておりますが、引き続きそうしたことを国にも要請をしていきたい。また県内の個別の市町村が地域で連携して具体的に介護を一緒にやろうとかいろんなことが、既にそういう例もあり、そういうことを県としても一緒になって推進をする努力をしたい。
◆グラントワの10周年事業についてであります。
グラントワは、石見地域の皆さんの誇りであり、愛されている存在だという評価をよく耳にしております。グラントワの職員の努力はもちろんのこと、地元のボランティアスタッフを始め多くの県民の皆様に支えられてグラントワの今日の姿があると思っております。
記念事業につきましては、澄川センター長を始め現場の意見をよくお聞きしながら、開館10周年にふさわしい内容となり、多くの方々に親しんでいただける機会を提供できるよう、今検討しています。
次回は、2025年問題についての質問を記載します。
by nakayama-yutaka
| 2015-02-17 00:42
| 県議選
|
Comments(0)