2016年 01月 15日
議員の兼職禁止について |
議員の兼職禁止について
灰色議員を排斥せよ!(議員の兼職禁止)
この種の質問はよくあるので、議員の兼職に関する法令上の規定について触れてみたい。
先日、読者からコメントが入った。
地方議員の兼業に関するもので、「市・町議員は議員報酬をもらっているのにアルバイト(賃金をもらっています)をしても良いのですか?
お手伝いなのかな?と思っていたのにしっかりもらっていて、その雇用先にはいろんな便宜的配慮をはらっています。」という内容のものである。
この種の質問はよくあるので、議員の兼職に関する法令上の規定について触れてみたい。
法令上の規定
地方自治法第92条の2には、地方自治法第92条の2には、「普通地方公共団体の議会の議員は、当該普通地方公共団体に対し請負をする者及びその支配人又は主として同一の行為をする法人の無限責任社員、取締役、執行役若しくは監査役若しくはこれらに準ずべき者、支配人及び清算人たることができない。」と規定されている。
また、公職選挙法第104条では、議員又は長の選挙における当選人で、当該地方公共団体に対し、地方自治法第92条の2又は第142条に規定する関係を有する者は、選挙管理委員会に対し、当選の告知を受けた日から5日以内にこれらの条文に規定する関係を有しなくなった旨の届出をしないときは、当選を失うと規定されている。
この「当該普通地方公共団体に対し請負をする者」というのは、簡単にいえば自治体の入札に参加し、落札して自治体から仕事を請け負う法人のことだ。また、「主として同一の行為をする法人」とは、自治体の仕事を請け負う法人のことをいう。
しかし、自治体から請け負う仕事が、その法人全体の業務量の半分を超えなければ違法ではない、という見方もあったが、「請負量が全体の業務量の半分を超えない場合であっても、当該請負が当該法人の業務の主要な部分を占め、その重要度が議員、長の職務執行の公正、適正を損なうおそれが類型的に高いと認められる程度に至っているような事情があるときには、当該法人は「主として同一の行為をする法人」に該当するものと解すべきである」との判例(最高裁判所第三小法廷昭和62年10月20日判決)により、業務の量だけでなく、その内容によっても違法性を問われることとなった。
道義上の課題
ところが、請負が禁止されるのは議員個人のみであり、その家族は含まれないと曲解し、議員の勤務先が家族の経営する企業であっても問題にならない場合が多い。
議員は、住民の代表、代弁者として住民全体の利益を第一に考えるのが最大の任務であり、責任だ。自治体が発注する事業、物品の購入などについては、公平・公正さが強く求められるのは当然のことだ。
議員が経営する企業が市発注の事業を請け負うことについては、多くの住民はこれを是認していない。公共事業などの予算を審議し、議決するのは議会の議員であり、その議員、親族が自治体の事業を請け負うのはおかしいと考えるのは極めて常識的なことだろう。
地方自治法第92条の2の趣旨は、議員の兼業禁止の規定を定めているものであり、請負額が年間事業量総額の半分以内ならよいなどと判断できる内容は含まれてはいない。
一方では議会改革の議会基本条例のと騒いでみても、一方でこのような法令の曲解を看過したままでは、公正な行政を確立し、市議会の信頼を高めることは不可能だろう。
灰色議員を排斥せよ!
灰色議員を排斥せよ!(議員の兼職禁止)
この種の質問はよくあるので、議員の兼職に関する法令上の規定について触れてみたい。
先日、読者からコメントが入った。
地方議員の兼業に関するもので、「市・町議員は議員報酬をもらっているのにアルバイト(賃金をもらっています)をしても良いのですか?
お手伝いなのかな?と思っていたのにしっかりもらっていて、その雇用先にはいろんな便宜的配慮をはらっています。」という内容のものである。
この種の質問はよくあるので、議員の兼職に関する法令上の規定について触れてみたい。
法令上の規定
地方自治法第92条の2には、地方自治法第92条の2には、「普通地方公共団体の議会の議員は、当該普通地方公共団体に対し請負をする者及びその支配人又は主として同一の行為をする法人の無限責任社員、取締役、執行役若しくは監査役若しくはこれらに準ずべき者、支配人及び清算人たることができない。」と規定されている。
また、公職選挙法第104条では、議員又は長の選挙における当選人で、当該地方公共団体に対し、地方自治法第92条の2又は第142条に規定する関係を有する者は、選挙管理委員会に対し、当選の告知を受けた日から5日以内にこれらの条文に規定する関係を有しなくなった旨の届出をしないときは、当選を失うと規定されている。
この「当該普通地方公共団体に対し請負をする者」というのは、簡単にいえば自治体の入札に参加し、落札して自治体から仕事を請け負う法人のことだ。また、「主として同一の行為をする法人」とは、自治体の仕事を請け負う法人のことをいう。
しかし、自治体から請け負う仕事が、その法人全体の業務量の半分を超えなければ違法ではない、という見方もあったが、「請負量が全体の業務量の半分を超えない場合であっても、当該請負が当該法人の業務の主要な部分を占め、その重要度が議員、長の職務執行の公正、適正を損なうおそれが類型的に高いと認められる程度に至っているような事情があるときには、当該法人は「主として同一の行為をする法人」に該当するものと解すべきである」との判例(最高裁判所第三小法廷昭和62年10月20日判決)により、業務の量だけでなく、その内容によっても違法性を問われることとなった。
道義上の課題
ところが、請負が禁止されるのは議員個人のみであり、その家族は含まれないと曲解し、議員の勤務先が家族の経営する企業であっても問題にならない場合が多い。
議員は、住民の代表、代弁者として住民全体の利益を第一に考えるのが最大の任務であり、責任だ。自治体が発注する事業、物品の購入などについては、公平・公正さが強く求められるのは当然のことだ。
議員が経営する企業が市発注の事業を請け負うことについては、多くの住民はこれを是認していない。公共事業などの予算を審議し、議決するのは議会の議員であり、その議員、親族が自治体の事業を請け負うのはおかしいと考えるのは極めて常識的なことだろう。
地方自治法第92条の2の趣旨は、議員の兼業禁止の規定を定めているものであり、請負額が年間事業量総額の半分以内ならよいなどと判断できる内容は含まれてはいない。
一方では議会改革の議会基本条例のと騒いでみても、一方でこのような法令の曲解を看過したままでは、公正な行政を確立し、市議会の信頼を高めることは不可能だろう。
灰色議員を排斥せよ!
by nakayama-yutaka
| 2016-01-15 00:37
| 益田市議会
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