2010年 06月 28日
参院選で地方は変わるか④ |
参院選告示
民主・岩田を追う、(自民)青木、(みんな)桜内
さあー!出陣
24日公示、7月11日投開票される参院選の島根選挙区は、いずれも新人で、地元民放元アナウンサーの民主党岩田浩岳氏、参院議員秘書の自民党青木一彦氏、会社役員のみんなの党桜内朋雄氏、政党役員の共産党石飛育久氏の4人が立候補した。
岩田氏の陣営は午前9時から、松江市津田町の事務所で出陣式。10時から、JR松江駅前で第一声を上げ、枝野幸男党幹事長もマイクを握った。
青木氏の陣営は午前9時、同市殿町の事務所で出陣式、9時半から近くの県庁前ロータリーで第一声をあげた。
桜内氏の陣営は午前9時半から、同市東津田町の事務所前で出陣式をした後、第一声を上げた。元衆院議員の錦織淳弁護士が来援。
石飛氏の陣営は午前9時から、松江市袖師町の党県事務所の駐車場で第一声を発した。
東部は自民、西部はみんなの党が追い上げ
参院選が24日公示された。戦後初の本格的な政権交代から9カ月を経て、民主党を中心とする政権への国 民の評価が初めて下される。菅直人首相による出直しの是非も同時に問われる、重い選択の場面である。鳩山内閣が直前に退陣し、焦点の財政再建問題では2大政党の民主、自民両党が消費税増税路線で一致する。
争点がぼやけた印象もあるが、財政危機をはじめ日本を覆う閉塞状況への処方せんを正面から論じなければならない。選挙戦と来月11日の投票日を、政治の質を高める機会ととらえたい。民主党が消費税増税を含めた早期の税制抜本改革の必要性を打ち出す一方で、最大野党の自民党も「当面10%」を目標として掲げた。
外交・安全保障問題で焦点の普天間飛行場移設について両党は「辺野古移設」という点で共通し、むしろ両党と他党の主張の差の方が目立つ。
さきの衆院選で民主党が初めて与党を担い、一方で自民党も政権奪回の足がかりを探る。とりわけ消費税をめぐり両党がタブーなき議論に踏みこんだのは、現実に政権を運営するうえで避けて通れぬとの判断からだろう。政権交代がより踏み込んだ政策論争を可能とした表れとして歓迎したい。
民主党政権の将来を運命づける選挙
問われるのは、衆院選と異なり、参院選は直接政権の枠組みや首相を決める選挙ではない。しかし、実際にもたらす政治的意味合いは民主党政権の将来を運命づけるほど重い。
仮に民主党が非改選を合わせ参院で単独過半数の議席を得れば、衆参両院で多数を占める強力な運営の基盤を得る。逆に、国民新党と合わせても与党が参院の過半数を割り野党が多数派となれば、07年参院選大敗で自民党が陥った衆参「ねじれ」に今度は民主党が直面する。そうなれば与党の政策判断には野党勢力との合意形成優先という、大きな制約が加えられる。
それだけに、鳩山内閣の挫折で政権担当能力に疑問符がついた民主党のビジョンと政策の説得力が問われる。
理念先行だった鳩山由紀夫前首相と異なり、首相はさきの衆院選マニフェストを大幅に変更、実現重視型の公約を掲げた。財源対策が実質破綻する中での変更は当然だ。だが、政権交代で期待されたのが大胆な政治の刷新だったことも忘れてはならない。
自民党は、民主党との対立軸をどう打ち出すかの正念場だ。鳩山前首相と小沢一郎・民主党前幹事長を標的に「打倒小鳩」を訴える戦略は空振りに終わった。税制、普天間問題などで民主党の方が接近する中でどう国民に政権奪還を訴えるか。民主党の揚げ足取りを超えた建設的議論が谷垣禎一総裁に求められる。
新党も含めた民主、自民両党以外の勢力が「第三極」の地位を参院で築けるかも注目される。国民新党は消費増税に反対している。さらに、首相は参院で与党が過半数割れした場合の他党る。参院選後の連立の枠組みの行方には不透明感が漂う。選挙後に政党の数合わせ的な合従連衡が行われ、有権者の不信を買うことがあってはならない。新党の進出ラッシュもあり各党の主張が埋没しかねないきらいはあるが、多様な主張は民主、自民両党の政策をチェックするうえでも有力な指標となり得る。公明、共産、国民新、新党改革、社民、たちあがれ日本、みんなの党など各党は消費税問題をはじめ重要政策への旗幟を鮮明にすることはもちろん、政策課題の優先度を示すことが肝心である。
取り組むべき課題は多い。数年のうちに国と地方の債務残高が国内総生産(GDP)比200%を突破しかねない財政の一方で、国民に貧困層が占める割合の指標である相対的貧困率は先進諸国の中でも高く、足元の生活が脅かされている。年金、医療、介護など社会保障の制度設計、成長戦略、地域主権改革などこれからの国の姿を描く構想力が、政治に強く求められている。
だからこそ、17日間の選挙戦は政党がどこまで責任を持ち政策を遂行できるか、党首の力量も含め総合的に競い合う場となる。そして投票日に試されるのは、私たち有権者の眼力である。(毎日新聞社説引用)
民主・岩田を追う、(自民)青木、(みんな)桜内
さあー!出陣
24日公示、7月11日投開票される参院選の島根選挙区は、いずれも新人で、地元民放元アナウンサーの民主党岩田浩岳氏、参院議員秘書の自民党青木一彦氏、会社役員のみんなの党桜内朋雄氏、政党役員の共産党石飛育久氏の4人が立候補した。
岩田氏の陣営は午前9時から、松江市津田町の事務所で出陣式。10時から、JR松江駅前で第一声を上げ、枝野幸男党幹事長もマイクを握った。
青木氏の陣営は午前9時、同市殿町の事務所で出陣式、9時半から近くの県庁前ロータリーで第一声をあげた。
桜内氏の陣営は午前9時半から、同市東津田町の事務所前で出陣式をした後、第一声を上げた。元衆院議員の錦織淳弁護士が来援。
石飛氏の陣営は午前9時から、松江市袖師町の党県事務所の駐車場で第一声を発した。
東部は自民、西部はみんなの党が追い上げ
参院選が24日公示された。戦後初の本格的な政権交代から9カ月を経て、民主党を中心とする政権への国 民の評価が初めて下される。菅直人首相による出直しの是非も同時に問われる、重い選択の場面である。鳩山内閣が直前に退陣し、焦点の財政再建問題では2大政党の民主、自民両党が消費税増税路線で一致する。
争点がぼやけた印象もあるが、財政危機をはじめ日本を覆う閉塞状況への処方せんを正面から論じなければならない。選挙戦と来月11日の投票日を、政治の質を高める機会ととらえたい。民主党が消費税増税を含めた早期の税制抜本改革の必要性を打ち出す一方で、最大野党の自民党も「当面10%」を目標として掲げた。
外交・安全保障問題で焦点の普天間飛行場移設について両党は「辺野古移設」という点で共通し、むしろ両党と他党の主張の差の方が目立つ。
さきの衆院選で民主党が初めて与党を担い、一方で自民党も政権奪回の足がかりを探る。とりわけ消費税をめぐり両党がタブーなき議論に踏みこんだのは、現実に政権を運営するうえで避けて通れぬとの判断からだろう。政権交代がより踏み込んだ政策論争を可能とした表れとして歓迎したい。
民主党政権の将来を運命づける選挙
問われるのは、衆院選と異なり、参院選は直接政権の枠組みや首相を決める選挙ではない。しかし、実際にもたらす政治的意味合いは民主党政権の将来を運命づけるほど重い。
仮に民主党が非改選を合わせ参院で単独過半数の議席を得れば、衆参両院で多数を占める強力な運営の基盤を得る。逆に、国民新党と合わせても与党が参院の過半数を割り野党が多数派となれば、07年参院選大敗で自民党が陥った衆参「ねじれ」に今度は民主党が直面する。そうなれば与党の政策判断には野党勢力との合意形成優先という、大きな制約が加えられる。
それだけに、鳩山内閣の挫折で政権担当能力に疑問符がついた民主党のビジョンと政策の説得力が問われる。
理念先行だった鳩山由紀夫前首相と異なり、首相はさきの衆院選マニフェストを大幅に変更、実現重視型の公約を掲げた。財源対策が実質破綻する中での変更は当然だ。だが、政権交代で期待されたのが大胆な政治の刷新だったことも忘れてはならない。
自民党は、民主党との対立軸をどう打ち出すかの正念場だ。鳩山前首相と小沢一郎・民主党前幹事長を標的に「打倒小鳩」を訴える戦略は空振りに終わった。税制、普天間問題などで民主党の方が接近する中でどう国民に政権奪還を訴えるか。民主党の揚げ足取りを超えた建設的議論が谷垣禎一総裁に求められる。
新党も含めた民主、自民両党以外の勢力が「第三極」の地位を参院で築けるかも注目される。国民新党は消費増税に反対している。さらに、首相は参院で与党が過半数割れした場合の他党る。参院選後の連立の枠組みの行方には不透明感が漂う。選挙後に政党の数合わせ的な合従連衡が行われ、有権者の不信を買うことがあってはならない。新党の進出ラッシュもあり各党の主張が埋没しかねないきらいはあるが、多様な主張は民主、自民両党の政策をチェックするうえでも有力な指標となり得る。公明、共産、国民新、新党改革、社民、たちあがれ日本、みんなの党など各党は消費税問題をはじめ重要政策への旗幟を鮮明にすることはもちろん、政策課題の優先度を示すことが肝心である。
取り組むべき課題は多い。数年のうちに国と地方の債務残高が国内総生産(GDP)比200%を突破しかねない財政の一方で、国民に貧困層が占める割合の指標である相対的貧困率は先進諸国の中でも高く、足元の生活が脅かされている。年金、医療、介護など社会保障の制度設計、成長戦略、地域主権改革などこれからの国の姿を描く構想力が、政治に強く求められている。
だからこそ、17日間の選挙戦は政党がどこまで責任を持ち政策を遂行できるか、党首の力量も含め総合的に競い合う場となる。そして投票日に試されるのは、私たち有権者の眼力である。(毎日新聞社説引用)
by nakayama-yutaka
| 2010-06-28 00:34
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