2009年 06月 24日
「天の声」とは |
多神教の国の「天の声」
キリスト教やイスラム教のような「多神教」の国と違って、我が国には固有の「一神教」の伝統が根強く息づいている。したがって、我が国の「天の声」は、アチコチから出ているようだ。
さて、新聞には「天の声」の見出しが一面を飾り、テレビからは「天の声」が繰り返し流れてくる。「西松建設が公共事業を受注できるようにしてやる」という小沢一郎前民主党代表の声が「天の声」らしい。
そもそも、「天の声」というのは最高権力者の声だと認識していたのだが、我が国では野党の党首でも「天の声」が宣託できるのだから、与党には数えきれない「天の声」を発せられるセンセイがいるのだろう。
しかし、西松建設のJVがその「天の声」を得て受注できた工事は、平成7年から18年までの11年間で4件しかない。落札額は約120億円に過ぎないのだという。そうすれば、そうたいした「天の声」ではない。いくらかこの業界に関わってきている者なら、岩手県や秋田県の「天の声」は、なんとも頼りないと思うだろう。
島根県の「天の声」
ここ最近の益田県土整備事務所管内におけるトンネル工事は以下の3件。
1.平成12年 ふるさと林道恋路山線「恋路山トンネル」 11億9977万円
2.平成18年 一般国道488号「長沢1号トンネル」 22億5750万円
3.平成19年 津和野田万川線「新昭和トンネル」 20億0100万円
上記のとおり、その総計は54億5827万円に及ぶが、このトンネル工事のすべてに共通することがいくつかある。
その一つは、工事を受注したJV(特別企業体)すべてに大畑建設が入っていること。次は、すべての工事で基準値を超えた砒素が検出されていること。(しかし、上記二つのトンネル工事では、事前に砒素が検出されていたにもかかわらずこれを隠ぺいして工事が進められていたが、本紙の調査によりこれが明るみに出た。 また、最後の新昭和トンネルでは、事前に地元や漁協に説明した砒素処理方法は実施されておらず、砒素の流出が懸念されている。)
恋路山トンネルと新昭和トンネルのJVは、何れも大畑建設がJVの中核で、それに日新建設が参加している。(長沢1号トンネル」のみ鴻池組が中核のJV)
それにしても、大畑建設は、わずか7年間のトンネル工事だけで54億円を超える受注ができているのだから、西松建設の11年間で120億円の受注が異常とも思えなくなってくる。
では、大畑建設、日新建設はどこかからの「天の声」を聞かなかったのか。あるいは、「天の声」を聞けるような努力はしていなかったのか。そのあたりが気になるところだ。(つづく)
キリスト教やイスラム教のような「多神教」の国と違って、我が国には固有の「一神教」の伝統が根強く息づいている。したがって、我が国の「天の声」は、アチコチから出ているようだ。
さて、新聞には「天の声」の見出しが一面を飾り、テレビからは「天の声」が繰り返し流れてくる。「西松建設が公共事業を受注できるようにしてやる」という小沢一郎前民主党代表の声が「天の声」らしい。
そもそも、「天の声」というのは最高権力者の声だと認識していたのだが、我が国では野党の党首でも「天の声」が宣託できるのだから、与党には数えきれない「天の声」を発せられるセンセイがいるのだろう。
しかし、西松建設のJVがその「天の声」を得て受注できた工事は、平成7年から18年までの11年間で4件しかない。落札額は約120億円に過ぎないのだという。そうすれば、そうたいした「天の声」ではない。いくらかこの業界に関わってきている者なら、岩手県や秋田県の「天の声」は、なんとも頼りないと思うだろう。
島根県の「天の声」
ここ最近の益田県土整備事務所管内におけるトンネル工事は以下の3件。
1.平成12年 ふるさと林道恋路山線「恋路山トンネル」 11億9977万円
2.平成18年 一般国道488号「長沢1号トンネル」 22億5750万円
3.平成19年 津和野田万川線「新昭和トンネル」 20億0100万円
上記のとおり、その総計は54億5827万円に及ぶが、このトンネル工事のすべてに共通することがいくつかある。
その一つは、工事を受注したJV(特別企業体)すべてに大畑建設が入っていること。次は、すべての工事で基準値を超えた砒素が検出されていること。(しかし、上記二つのトンネル工事では、事前に砒素が検出されていたにもかかわらずこれを隠ぺいして工事が進められていたが、本紙の調査によりこれが明るみに出た。 また、最後の新昭和トンネルでは、事前に地元や漁協に説明した砒素処理方法は実施されておらず、砒素の流出が懸念されている。)
恋路山トンネルと新昭和トンネルのJVは、何れも大畑建設がJVの中核で、それに日新建設が参加している。(長沢1号トンネル」のみ鴻池組が中核のJV)
それにしても、大畑建設は、わずか7年間のトンネル工事だけで54億円を超える受注ができているのだから、西松建設の11年間で120億円の受注が異常とも思えなくなってくる。
では、大畑建設、日新建設はどこかからの「天の声」を聞かなかったのか。あるいは、「天の声」を聞けるような努力はしていなかったのか。そのあたりが気になるところだ。(つづく)
by nakayama-yutaka
| 2009-06-24 00:41
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