2009年 06月 10日
島根県は誰のものか? |
誰のための「公共工事」か?
島根県が発注する公共工事は、県民の利益を増大させるために行われるはずだ。ところが、「新昭和トンネル工事」で明らかになったのは、県営工事の名の下に、島根県が一部の特定業者に便宜を供与し、不当な入札で落札させ、県費を浪費したという重大な事実である。
本来、標準型総合評価方式で応札者が技術提案した施工計画の実行が不可能になった場合、総合評価の順位は変動するのが当然ではないか。
落札した大畑建設・半田組・日新建設のJV(共同企業体)の「掘削ズリ等に含まれる砒素除去の確実性の向上」の技術提案は、大畑建設の子会社である「益田興産」の採石場に設置してある洗浄施設で砒素処理を行うというものであった。
ところが、地元や高津川漁協の反対により、この技術提案は実行不能となった。しかし、島根県は実行不能の技術提案の評価をそのまま技術評価点に加算し、大畑建設・半田組・日新建設のJVと工事契約を締結したのだが、この技術提案は本来評価対象にしてはならない。
実際に、平成19年6月29日の島根県の総合評価技術資料(様式-1:評価項目2-13)には、「技術提案した項目、内容については、変更の対象としないものとする。」と書かれている。
この砒素処理に関する技術提案は、27点満点の内の5点という高い配分がされていた。この評価点の5点が評価対象から外れた場合、入札価格は若干高いものの落札決定となる評価値は次位のフクダ・大福工業・祥洋建設のJVが落札者となるべきものであった。
しかし、島根県はこの事実を無視して工事を発注したのだが、これが今回、砒素を含んだ残土処理方法で島根県と高津川漁協との対立を生んだ大きな要因なのだ。
砒素は洗浄処理することで決まっていた
ようやく高津川漁協がこの事態の重要さに気づいたようだ。なにしろ、2年連続で「水質日本一」に輝いた高津川で、このような無法行為が進捗していたのだ。
おそらく、相手が島根県だからということで信用していたのだろう。本紙のキャンペーンも理解できていなかったようだ。
また、大畑建設もこの地域を代表する建設会社だから、技術的にも問題はないだろうと思っていたのかもしれない。
しかし、長沢トンネルでは砒素が出るのを知っていて隠蔽し、本紙の指摘で即座に工事を中断した連中だ。また、恋路山トンネルでは、鉱山並みの砒素が含まれていた残土処理について、地元に大デタラメの説明をし、漁協には何の通知もしていなかったことが本紙の調査で明らかになった。
(新昭和トンネルをはじめ、これら3件のトンネル工事には全て大畑建設が請負者となり、恋路山・新昭和トンネルの2件には日新建設が請負者となっている。)
さらに、大畑建設の子会社である「益田興産」の採石場に設置してある洗浄施設で砒素処理を行うという提案は、島根県が指定したものであったことが明らかになった。これでは他の業者の入り込む余地はない。益田興産が他の業者が落札できるような協力をするはずがないからである。要するに、冒頭で述べたとおり、島根県が一部の特定業者に便宜をはかった「官製談合」に他ならない。
高津川を守る姿勢は大人が示せ!
これらを踏まえて、漁協が慎重な対応をしている間に、島根県は自分たちの不手際を棚に上げ、強引に工事を進めてしまった。
島根県は、新昭和トンネルの総合評価技術資料の中の「工事特記仕様書」に、次のように記載している。
1.請負者(上記の大畑建設・半田組・日新建設のJV)は、契約締結後、直ちに漁業組合等と所定の様式により協議を行うこと
2.請負者は前項の協議において現地協議を求められたときは、速やかにこれに応じること
3.請負者は、前号の協議が整ったときは確約書を取り交わすこと
しかし、1.~2.は履行されているが、3.については履行されていない。
(これについて、本紙は今月8日、津和野土木事務所の担当者にその理由について直接確認したところ、漁協に責任があるという意味合いのことをいうばかりで、漁協が何を言いたいのか、調停内容を見ないと理解できないという。)
確約書は、島根県の指示で請負者が漁協と取り交わすことになっているのだから、その確認書がなければ工事着工はできないはずなのだ。これは、海や川の工事をを問わず、今までの事例を見れば明らかである。
それが、なぜ砒素を含む工事残土が発生するこの新昭和トンネルに限り、確認書なしで工事が進められているのか。誰が考えても不思議に思うことで、漁協が悪意を持って島根県と対立したわけでもなかろう。
今まで散々本紙が報道してきたように、利権業者と利権政治屋、それに無責任な県職員と御用学者が徒党を組んで、住民無視の公共事業を行ってきた当然の結果なのだ。
「高津川を守りましょう!」とキャンペーンを張っているNPOや市民団体もあるようだが、ここに至ってもなお沈黙しているのが不思議でしようがない。
この際、長沢トンネルの杜撰な砒素処理、恋路山トンネルの違法な砒素処理について、住民自らが抗議の声を上げないと、「水質日本一」の高津川は守ることはできない。
島根県が発注する公共工事は、県民の利益を増大させるために行われるはずだ。ところが、「新昭和トンネル工事」で明らかになったのは、県営工事の名の下に、島根県が一部の特定業者に便宜を供与し、不当な入札で落札させ、県費を浪費したという重大な事実である。
本来、標準型総合評価方式で応札者が技術提案した施工計画の実行が不可能になった場合、総合評価の順位は変動するのが当然ではないか。
落札した大畑建設・半田組・日新建設のJV(共同企業体)の「掘削ズリ等に含まれる砒素除去の確実性の向上」の技術提案は、大畑建設の子会社である「益田興産」の採石場に設置してある洗浄施設で砒素処理を行うというものであった。
ところが、地元や高津川漁協の反対により、この技術提案は実行不能となった。しかし、島根県は実行不能の技術提案の評価をそのまま技術評価点に加算し、大畑建設・半田組・日新建設のJVと工事契約を締結したのだが、この技術提案は本来評価対象にしてはならない。
実際に、平成19年6月29日の島根県の総合評価技術資料(様式-1:評価項目2-13)には、「技術提案した項目、内容については、変更の対象としないものとする。」と書かれている。
この砒素処理に関する技術提案は、27点満点の内の5点という高い配分がされていた。この評価点の5点が評価対象から外れた場合、入札価格は若干高いものの落札決定となる評価値は次位のフクダ・大福工業・祥洋建設のJVが落札者となるべきものであった。
しかし、島根県はこの事実を無視して工事を発注したのだが、これが今回、砒素を含んだ残土処理方法で島根県と高津川漁協との対立を生んだ大きな要因なのだ。
砒素は洗浄処理することで決まっていた
ようやく高津川漁協がこの事態の重要さに気づいたようだ。なにしろ、2年連続で「水質日本一」に輝いた高津川で、このような無法行為が進捗していたのだ。
おそらく、相手が島根県だからということで信用していたのだろう。本紙のキャンペーンも理解できていなかったようだ。
また、大畑建設もこの地域を代表する建設会社だから、技術的にも問題はないだろうと思っていたのかもしれない。
しかし、長沢トンネルでは砒素が出るのを知っていて隠蔽し、本紙の指摘で即座に工事を中断した連中だ。また、恋路山トンネルでは、鉱山並みの砒素が含まれていた残土処理について、地元に大デタラメの説明をし、漁協には何の通知もしていなかったことが本紙の調査で明らかになった。
(新昭和トンネルをはじめ、これら3件のトンネル工事には全て大畑建設が請負者となり、恋路山・新昭和トンネルの2件には日新建設が請負者となっている。)
さらに、大畑建設の子会社である「益田興産」の採石場に設置してある洗浄施設で砒素処理を行うという提案は、島根県が指定したものであったことが明らかになった。これでは他の業者の入り込む余地はない。益田興産が他の業者が落札できるような協力をするはずがないからである。要するに、冒頭で述べたとおり、島根県が一部の特定業者に便宜をはかった「官製談合」に他ならない。
高津川を守る姿勢は大人が示せ!
これらを踏まえて、漁協が慎重な対応をしている間に、島根県は自分たちの不手際を棚に上げ、強引に工事を進めてしまった。
島根県は、新昭和トンネルの総合評価技術資料の中の「工事特記仕様書」に、次のように記載している。
1.請負者(上記の大畑建設・半田組・日新建設のJV)は、契約締結後、直ちに漁業組合等と所定の様式により協議を行うこと
2.請負者は前項の協議において現地協議を求められたときは、速やかにこれに応じること
3.請負者は、前号の協議が整ったときは確約書を取り交わすこと
しかし、1.~2.は履行されているが、3.については履行されていない。
(これについて、本紙は今月8日、津和野土木事務所の担当者にその理由について直接確認したところ、漁協に責任があるという意味合いのことをいうばかりで、漁協が何を言いたいのか、調停内容を見ないと理解できないという。)
確約書は、島根県の指示で請負者が漁協と取り交わすことになっているのだから、その確認書がなければ工事着工はできないはずなのだ。これは、海や川の工事をを問わず、今までの事例を見れば明らかである。
それが、なぜ砒素を含む工事残土が発生するこの新昭和トンネルに限り、確認書なしで工事が進められているのか。誰が考えても不思議に思うことで、漁協が悪意を持って島根県と対立したわけでもなかろう。
今まで散々本紙が報道してきたように、利権業者と利権政治屋、それに無責任な県職員と御用学者が徒党を組んで、住民無視の公共事業を行ってきた当然の結果なのだ。
「高津川を守りましょう!」とキャンペーンを張っているNPOや市民団体もあるようだが、ここに至ってもなお沈黙しているのが不思議でしようがない。
この際、長沢トンネルの杜撰な砒素処理、恋路山トンネルの違法な砒素処理について、住民自らが抗議の声を上げないと、「水質日本一」の高津川は守ることはできない。
by nakayama-yutaka
| 2009-06-10 07:33
| 疑惑の連鎖
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