2009年 05月 25日
「町長選挙」(3) |
大きな変化は未だ見えず!
毎週土曜日には、津和野町長選挙に関するレポートを掲載する予定だったが、体調不良もあって、十分な現地取材ができない。しかし、現在のところ特に新たな情報もないのだが、「ポスト中島」を目指してこれまで名乗りを上げた立候補予定者の動きを振り返ってみよう。
下森博之前町議会議員
下森前議員の大々的な出馬表明は未だないものの、既に3月議会終了後に議員を辞職し、地元固めに入っているようだが、全町的な後援会組織の全貌は見えてこない。
平成17年から開設していた個人ブログも今年の3月30日に閉鎖して、町長選に向けて新たなウエブサイトでも立ち上げるのかと思ったら、それもまだできていない。
この以前のブログに、JA石西厚生連が倒産した前後の記事に厚生連破産の記事が皆無だったことに、多方面から非難があった。本人が厚生連の監査役だったからである。
本紙にもいくつかそれに触れた投稿があった。(上記のブログは閉鎖されてはいないが、過去記事はすべて閲覧不能になっている。)
本紙は、この件に関して本人の真意を確認すべく今年の2月中旬に直接インタビューを行った。
こうした取材申し込みには、大半の人があれこれ理由をつけて断るケースが多いのだが、下森氏はこれを快諾したのを覚えている。
このインタビューの中で、下森氏は、本紙の、「当然、こうした事態を招いた原因に、石西厚生連の監事であったあなたの責任も問われると思うが、どのように感じているか。」という質問に、「責任は感じるが、自分としても精一杯やってきたと思う。」と答えている。
インタビューを通じてその真面目な人柄は伝わってくる。この言葉に嘘はないだろう。本人は実際にそう思っているのだろうが、いかにも結果が悪すぎる。
石西厚生連の破産に至る原因、経過について、当時の財務内容を最も知る立場にあるべきはずの監査役が、それまで継続していたブログに掲載し、町民に説明をしないまま閉鎖するのはあまりに身勝手ではないか。何ひとつ町民に情報発信もせずに報酬をもらっている他の多くの議員よりははるかにマシだが、こうした重要な場面で「画竜点睛を欠く」ような行為は非常に残念なことだ。
厳しい財政状況下で、13億円余の公費を投じた病院の維持が困難になりつつある現状を見れば、ここに至った原因、経過について、町民に説明するのは今からでも遅くはない。言いにくいこともあるだろうが、そこを乗り越える強靭な精神がないと、健全な町政は取り戻せないのではないか。
簡単に政権を放り出した安倍首相を悪人とは思っている人は少ない。しかし、難局を乗り越えるだけの力・精神力がなかった。その後の福田首相も同様だ。この二人の無責任な去就から、「お坊ちゃま議員」の限界に国民は気が付いた。それが議員の世襲制限への議論になっている。
安倍元首相は、就任した平成18年の暮、「今年を振り返って、漢字一文字で表すとしたら?」という記者団の質問に、「今年を漢字一文字で表わすと、"責任"ですかね」と答えているが、その翌年の9月に突如辞任した。
この種の危うさを感じるのは本紙記者だけはあるまい。
道信俊昭町議会議員
既に広く出馬表明をしているのは道信氏だけだ。後援会の届け出もすませているが、まだ組織だった動きはない。
現状では、ブログを公開し、町政への意気込みを綴っているが、実現可能な政策としての具体的な数値目標や期限、財源などを記したいわゆる「マニフェスト」には程遠いものだ。
厳しい財政状況下では、「あれも、これも」の選択肢はない。求められているのは、「あれか、これか」のシビアな選択であり、財源裏付けのない政策は「夢想」にすぎない。
病院問題をはじめとして、次回の出馬をあきらめた中島町長の残した「ツケ」は、町民が想像するよりはるかに大きい。ここしばらくは政府の経済対策でいくらか町内経済も小康状態を保つことができても、そう長くは続かない。
小手先の行政テクニックさえあれば、誰でも町長ができた時代ではない。時代を先取りする鋭敏なセンサーと緻密な演算能力が備わっていないと、町の発展どころか維持すら困難だ。
しかし、センサーがいくら危機を知らせたとしても、危機に対応できるシステムが機能しなければ衰退するのを待つだけだ。道信氏のセンサーとしての能力はそこそこ評価できるが、演算能力の方はあまり期待できない。
町長を支える町職員の資質がしっかりしていて、適材適所の配置をすればなんとかなるが、「小泉以前」の役人感覚が染みついた幹部職員が多く、行政テクニックを駆使して悪さはするが町民のためにという熱はほとんどない。数少ない有能な職員は閑職に回されている。熱っぽい若い職員も30歳前までにはほとんど感化されてしまう。
その種の役人と仲が良いのを自慢する議員が多い議会では、とても行政のチェックなど期待できないが、今までその議会にあって、道信議員が厳しく行政をチェックし、多くの無駄を排斥したという話は聞かない。
センサーだけ働いても、錆びついた行政システムは動かない。
毎週土曜日には、津和野町長選挙に関するレポートを掲載する予定だったが、体調不良もあって、十分な現地取材ができない。しかし、現在のところ特に新たな情報もないのだが、「ポスト中島」を目指してこれまで名乗りを上げた立候補予定者の動きを振り返ってみよう。
下森博之前町議会議員
下森前議員の大々的な出馬表明は未だないものの、既に3月議会終了後に議員を辞職し、地元固めに入っているようだが、全町的な後援会組織の全貌は見えてこない。
平成17年から開設していた個人ブログも今年の3月30日に閉鎖して、町長選に向けて新たなウエブサイトでも立ち上げるのかと思ったら、それもまだできていない。
この以前のブログに、JA石西厚生連が倒産した前後の記事に厚生連破産の記事が皆無だったことに、多方面から非難があった。本人が厚生連の監査役だったからである。
本紙にもいくつかそれに触れた投稿があった。(上記のブログは閉鎖されてはいないが、過去記事はすべて閲覧不能になっている。)
本紙は、この件に関して本人の真意を確認すべく今年の2月中旬に直接インタビューを行った。
こうした取材申し込みには、大半の人があれこれ理由をつけて断るケースが多いのだが、下森氏はこれを快諾したのを覚えている。
このインタビューの中で、下森氏は、本紙の、「当然、こうした事態を招いた原因に、石西厚生連の監事であったあなたの責任も問われると思うが、どのように感じているか。」という質問に、「責任は感じるが、自分としても精一杯やってきたと思う。」と答えている。
インタビューを通じてその真面目な人柄は伝わってくる。この言葉に嘘はないだろう。本人は実際にそう思っているのだろうが、いかにも結果が悪すぎる。
石西厚生連の破産に至る原因、経過について、当時の財務内容を最も知る立場にあるべきはずの監査役が、それまで継続していたブログに掲載し、町民に説明をしないまま閉鎖するのはあまりに身勝手ではないか。何ひとつ町民に情報発信もせずに報酬をもらっている他の多くの議員よりははるかにマシだが、こうした重要な場面で「画竜点睛を欠く」ような行為は非常に残念なことだ。
厳しい財政状況下で、13億円余の公費を投じた病院の維持が困難になりつつある現状を見れば、ここに至った原因、経過について、町民に説明するのは今からでも遅くはない。言いにくいこともあるだろうが、そこを乗り越える強靭な精神がないと、健全な町政は取り戻せないのではないか。
簡単に政権を放り出した安倍首相を悪人とは思っている人は少ない。しかし、難局を乗り越えるだけの力・精神力がなかった。その後の福田首相も同様だ。この二人の無責任な去就から、「お坊ちゃま議員」の限界に国民は気が付いた。それが議員の世襲制限への議論になっている。
安倍元首相は、就任した平成18年の暮、「今年を振り返って、漢字一文字で表すとしたら?」という記者団の質問に、「今年を漢字一文字で表わすと、"責任"ですかね」と答えているが、その翌年の9月に突如辞任した。
この種の危うさを感じるのは本紙記者だけはあるまい。
道信俊昭町議会議員
既に広く出馬表明をしているのは道信氏だけだ。後援会の届け出もすませているが、まだ組織だった動きはない。
現状では、ブログを公開し、町政への意気込みを綴っているが、実現可能な政策としての具体的な数値目標や期限、財源などを記したいわゆる「マニフェスト」には程遠いものだ。
厳しい財政状況下では、「あれも、これも」の選択肢はない。求められているのは、「あれか、これか」のシビアな選択であり、財源裏付けのない政策は「夢想」にすぎない。
病院問題をはじめとして、次回の出馬をあきらめた中島町長の残した「ツケ」は、町民が想像するよりはるかに大きい。ここしばらくは政府の経済対策でいくらか町内経済も小康状態を保つことができても、そう長くは続かない。
小手先の行政テクニックさえあれば、誰でも町長ができた時代ではない。時代を先取りする鋭敏なセンサーと緻密な演算能力が備わっていないと、町の発展どころか維持すら困難だ。
しかし、センサーがいくら危機を知らせたとしても、危機に対応できるシステムが機能しなければ衰退するのを待つだけだ。道信氏のセンサーとしての能力はそこそこ評価できるが、演算能力の方はあまり期待できない。
町長を支える町職員の資質がしっかりしていて、適材適所の配置をすればなんとかなるが、「小泉以前」の役人感覚が染みついた幹部職員が多く、行政テクニックを駆使して悪さはするが町民のためにという熱はほとんどない。数少ない有能な職員は閑職に回されている。熱っぽい若い職員も30歳前までにはほとんど感化されてしまう。
その種の役人と仲が良いのを自慢する議員が多い議会では、とても行政のチェックなど期待できないが、今までその議会にあって、道信議員が厳しく行政をチェックし、多くの無駄を排斥したという話は聞かない。
センサーだけ働いても、錆びついた行政システムは動かない。
by nakayama-yutaka
| 2009-05-25 00:35
| ノンカテゴリ
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Comments(1)